学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §15 主要な疾患 血液疾患 / QJ24P037

理由で解く 柔道整復師

QJ24P037 一般臨床医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問37
問題
特発性血小板減少性紫斑病で誤っているのはどれか。
選択肢
1 急性型と慢性型がある。
2 骨髄中の巨核球数が減少する。
3 血小板に対して自己抗体が産生される。
4 ヘリコバクター・ピロリ菌が関係する。
解答
正解2(骨髄中の巨核球数が減少する。)
解説

特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病では、骨髄中の巨核球数は減少しない。むしろ正常〜増加する。壊されているのは末梢の血小板であり、産生の場である骨髄は保たれているからである。

血小板膜の糖蛋白(GPⅡb/Ⅲaなど)に対する自己抗体が結合し、抗体の付いた血小板を脾臓のマクロファージが貪食して破壊する。骨髄は不足を補おうと血小板産生を高めるため、骨髄穿刺では巨核球は正常〜増加を示す。ここが、骨髄そのものが低形成になる再生不良性貧血との決定的な違いであり、鑑別の要点になる。症状は点状出血、紫斑、鼻出血、歯肉出血など血小板減少による出血傾向で、赤血球・白血球は正常、脾腫も通常みられない。ヘリコバクター・ピロリ陽性例では除菌により血小板が回復することがあり、まず除菌が試みられる。出血傾向のある人には打撲や過度の圧迫を避ける配慮が必要になる。

✓ 2. これが答え(誤っている記述)
骨髄中の巨核球数が減少する。
末梢での破壊亢進に対し骨髄は代償的に産生を増やすため、巨核球は正常〜増加する。巨核球が減少するのは再生不良性貧血など産生障害による血小板減少である。この記述が誤りであり、本問の答え。
✗ 1. 答えではない(正しい記述)
急性型と慢性型がある。
小児にウイルス感染後に急に発症し多くが自然軽快する急性型と、成人(とくに女性)に多く6か月以上持続する慢性型がある。
✗ 3. 答えではない(正しい記述)
血小板に対して自己抗体が産生される。
血小板膜糖蛋白に対する自己抗体が産生され、抗体の付いた血小板が主に脾臓で破壊される自己免疫性の疾患である。
✗ 4. 答えではない(正しい記述)
ヘリコバクター・ピロリ菌が関係する。
ピロリ菌陽性例では除菌治療によって血小板数が改善することがあり、治療の選択肢のひとつとされている。
ポイント
  • ITPは末梢での血小板破壊亢進。骨髄の巨核球は正常〜増加(減少ではない)
  • 血小板膜糖蛋白に対する自己抗体が結合し、脾臓で破壊される
  • 急性型=小児、ウイルス感染後、自然軽快が多い/慢性型=成人女性に多く遷延
  • 赤血球・白血球は正常。出血傾向は点状出血・紫斑・鼻出血・歯肉出血
  • ピロリ菌陽性例では除菌で血小板が改善することがある
比較表
疾患骨髄の巨核球他の血球機序
ITP正常〜増加正常末梢での免疫学的破壊亢進
再生不良性貧血減少(骨髄低形成)汎血球減少造血幹細胞の障害
急性白血病減少(芽球で置換)貧血・白血球異常腫瘍細胞による骨髄占拠
DIC正常〜増加凝固因子の消費全身の微小血栓による消費
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