学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §14 主要な疾患 循環器疾患 / QJ34P037

理由で解く 柔道整復師

QJ34P037 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問37
問題
閉塞性動脈硬化症で誤っているのはどれか。
選択肢
1 下肢の動脈に狭窄を生じる。
2 下肢の血圧が上昇する。
3 歩行時に下肢痛が生じる。
4 フォンテイン分類を用いる。
解答
正解2(下肢の血圧が上昇する。)
解説

この設問は「誤っている記述」を選ぶ。閉塞性動脈硬化症では下肢の動脈が狭窄・閉塞するため、下肢の血圧は上昇するのではなく低下する。

閉塞性動脈硬化症は、腹部大動脈から下肢の動脈にかけて粥状硬化が進み、内腔が狭くなって血流が減る疾患で、喫煙・糖尿病・脂質異常症・高血圧が危険因子となる。安静時は側副血行で足りていても、歩行で筋の酸素需要が増えると供給が追いつかず、下腿の痛みやだるさで歩けなくなり、休むと回復する。これが間欠性跛行である。狭窄の下流では血圧が下がるので、足関節収縮期血圧を上腕収縮期血圧で割った足関節上腕血圧比(ABI)が低下し、0.9以下で下肢動脈の狭窄・閉塞が疑われる。重症度はフォンテイン分類でI度(冷感・しびれ)、II度(間欠性跛行)、III度(安静時疼痛)、IV度(潰瘍・壊死)と段階づけられる。歩行時の下肢痛を訴える患者では、足背動脈・後脛骨動脈の拍動や皮膚温・皮膚色を確認し、血管系の評価ができる医療機関への受診を勧める。足の保温と外傷予防、フットケアも重要な助言となる。

✓ 2. これが答え(誤っている記述)
下肢の血圧が上昇する。
狭窄・閉塞の下流では血圧が低下する。実際、ABI(足関節上腕血圧比)は低下し、0.9以下が下肢動脈病変を疑う目安とされる。
✗ 1. 答えではない(正しい記述)
下肢の動脈に狭窄を生じる。
腹部大動脈から腸骨動脈、大腿動脈にかけて粥状硬化が進み内腔が狭くなる。疾患の本態そのものである。
✗ 3. 答えではない(正しい記述)
歩行時に下肢痛が生じる。
運動により筋の酸素需要が増えて相対的な虚血となるため、歩行で下肢痛が生じ休息で軽快する間欠性跛行を示す。
✗ 4. 答えではない(正しい記述)
フォンテイン分類を用いる。
重症度の評価に用いられる分類である。I度から IV度へ進むにつれて虚血が高度になる。
ポイント
  • 閉塞性動脈硬化症では下肢の血圧は低下する。ABI 0.9以下が病変を疑う目安。
  • フォンテイン分類:I度 冷感・しびれ/II度 間欠性跛行/III度 安静時疼痛/IV度 潰瘍・壊死。
  • 危険因子は喫煙、糖尿病、脂質異常症、高血圧。禁煙と危険因子管理が基本。
  • 診察では足背動脈・後脛骨動脈の拍動、皮膚温、皮膚色、爪や体毛の状態を確認する。
  • 腰部脊柱管狭窄症の間欠性跛行との鑑別:前屈で軽快するのは脊柱管狭窄症、動脈拍動の減弱があるのは血管性。
比較表
鑑別点閉塞性動脈硬化症腰部脊柱管狭窄症
症状が軽快する条件立ち止まって休む前屈姿勢(自転車では走行可)
下肢動脈の拍動減弱・消失正常
ABI低下(0.9以下)正常
皮膚所見冷感、脱毛、爪の変形、潰瘍特徴的所見なし
しびれの分布末梢優位、境界不明瞭神経支配領域に沿う
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。