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理由で解く 柔道整復師

QJ24A106 病理学概論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問106
問題
ウイルスと発癌の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 エプスタイン・バーウイルスーーバーキット(Burkitt) 腫瘍
2 A型肝炎ウイルスー〜 肝細胞癌
3 ヒト免疫不全ウイルス-成人T細胞白血病
4 ヒトパピローマウイルス-大腸癌
解答
正解1(エプスタイン・バーウイルスーーバーキット(Burkitt) 腫瘍)
解説

正しい組合せはエプスタイン・バーウイルス(EBV)とバーキットリンパ腫である。EBVはB細胞に感染し、この腫瘍の発生に関与する。

発がんに関わるウイルスは「ウイルス→腫瘍」の対で丸ごと覚えるのが最も効率がよい。EBV(ヒトヘルペスウイルス4型)はB細胞に感染し、伝染性単核球症を起こすほか、バーキットリンパ腫、上咽頭癌、ホジキンリンパ腫、移植後リンパ増殖性疾患などに関与する。バーキットリンパ腫ではc-myc遺伝子が免疫グロブリン重鎖遺伝子座へ転座する t(8;14) が特徴的で、マラリア流行地であるアフリカ中部の小児に多い顎骨の腫瘤として知られる。ほかにB型・C型肝炎ウイルスは慢性肝炎から肝硬変を経て肝細胞癌へ、ヒトパピローマウイルス(16型・18型など)は子宮頸癌へ、HTLV-1は成人T細胞白血病へ、ヘリコバクター・ピロリ(細菌)は胃癌・MALTリンパ腫へ、というように原因と結果を一対一で結びつけておきたい。

✓ 1. 正しい
エプスタイン・バーウイルスーーバーキット(Burkitt) 腫瘍
EBVはB細胞に感染するヘルペスウイルスで、バーキットリンパ腫の発生に関与する。同ウイルスは上咽頭癌やホジキンリンパ腫とも関連する。組合せは正しい。
✗ 2. 誤り
A型肝炎ウイルスー〜 肝細胞癌
A型肝炎ウイルスは経口感染して急性肝炎を起こすが、慢性化せず持続感染しないため発癌には関与しない。肝細胞癌の背景となるのは慢性化するB型・C型肝炎ウイルスである。
✗ 3. 誤り
ヒト免疫不全ウイルス-成人T細胞白血病
成人T細胞白血病の原因はHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)で、日本では南西部に多く母乳を介した母子感染が主経路である。HIVはAIDSを起こし、免疫不全を背景にカポジ肉腫(原因はHHV-8)や悪性リンパ腫を続発させる。名称が似ているので区別する。
✗ 4. 誤り
ヒトパピローマウイルス-大腸癌
ヒトパピローマウイルスの高リスク型(16型・18型など)が関与するのは子宮頸癌(ほかに中咽頭癌、肛門癌)である。大腸癌はウイルスではなく、食生活や遺伝性素因(APC遺伝子など)を背景に発生する。
ポイント
  • EBV → バーキットリンパ腫・上咽頭癌・ホジキンリンパ腫。
  • HBV/HCV → 肝細胞癌。HAVは慢性化せず発癌に関与しない。
  • HTLV-1 → 成人T細胞白血病。HIVはAIDS(HIV≠HTLV-1)。
  • HPV(16・18型)→ 子宮頸癌
  • 細菌ではヘリコバクター・ピロリ → 胃癌・MALTリンパ腫
比較表
病原体関連する腫瘍補足
EBV(HHV-4)バーキットリンパ腫、上咽頭癌、ホジキンリンパ腫B細胞に感染。t(8;14)・c-myc転座
HBV・HCV肝細胞癌慢性肝炎→肝硬変→肝細胞癌
HTLV-1成人T細胞白血病母乳を介した母子感染。日本の南西部に多い
HPV(16・18型)子宮頸癌、中咽頭癌ワクチンによる一次予防あり
HHV-8カポジ肉腫AIDSに合併しやすい
ヘリコバクター・ピロリ(細菌)胃癌、MALTリンパ腫除菌療法がある
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