学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §8 免疫異常・アレルギー / QJ24A105

理由で解く 柔道整復師

QJ24A105 病理学概論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問105
問題
シェーグレン(Sjögren)症候群の組織学的所見で正しいのはどれか。
選択肢
1 慢性リンパ球性甲状腺炎
2 唾液腺の腺房細胞萎縮
3 近位筋の萎縮
4 増殖性滑膜炎
解答
正解2(唾液腺の腺房細胞萎縮)
解説

シェーグレン症候群では、唾液腺・涙腺にリンパ球が浸潤して腺房細胞が破壊・萎縮する。したがって「唾液腺の腺房細胞萎縮」が正しい。

シェーグレン症候群は外分泌腺を標的とする自己免疫疾患で、中年女性に好発する。組織学的には、唾液腺・涙腺の導管周囲にリンパ球(主にT細胞)が密に浸潤し、その結果として分泌の主役である腺房細胞が破壊されて萎縮する。分泌液が減るため、乾燥性角結膜炎(ドライアイ、異物感・眼精疲労)と口腔乾燥(ドライマウス、う蝕の多発、嚥下困難、味覚低下)が生じる。血清では抗SS-A(Ro)抗体・抗SS-B(La)抗体が高頻度に陽性となり、診断には口唇小唾液腺生検やシルマー試験、ガムテスト・サクソンテストが用いられる。単独で発症する一次性のほか、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど他の膠原病に合併する二次性もあるため、他の膠原病の所見と混同しないよう整理しておきたい。

✓ 2. 正しい
唾液腺の腺房細胞萎縮
導管周囲へのリンパ球の密な浸潤により腺房細胞が破壊・萎縮し、唾液分泌が低下する。これがシェーグレン症候群の中核となる組織像であり、口腔乾燥症状の直接の原因である。
✗ 1. 誤り
慢性リンパ球性甲状腺炎
甲状腺にリンパ球が浸潤する橋本病の所見である。同じ自己免疫性疾患としてシェーグレン症候群に合併しうるが、シェーグレン症候群そのものの組織学的所見ではない。
✗ 3. 誤り
近位筋の萎縮
多発性筋炎・皮膚筋炎でみられる所見で、四肢近位筋や頸部の筋力低下・萎縮を呈し、血清CK上昇を伴う。標的が骨格筋であって外分泌腺ではない。
✗ 4. 誤り
増殖性滑膜炎
関節リウマチの所見である。滑膜が増殖してパンヌスを形成し、関節軟骨と骨を破壊していく。関節リウマチにシェーグレン症候群が合併する(二次性)ことはあるが、それぞれ別の病変である。
ポイント
  • シェーグレン症候群=外分泌腺(唾液腺・涙腺)を標的とする自己免疫疾患。中年女性に好発。
  • 組織像=リンパ球浸潤+腺房細胞の破壊・萎縮
  • 症状=ドライアイ(乾燥性角結膜炎)とドライマウス。う蝕多発、嚥下困難。
  • 自己抗体=抗SS-A(Ro)・抗SS-B(La)抗体。検査はシルマー試験、ガムテスト、口唇生検。
  • 関節リウマチなど他の膠原病に合併する二次性がある。所見を疾患ごとに対で覚える。
比較表
疾患主な標的特徴的な組織所見代表的な自己抗体
シェーグレン症候群唾液腺・涙腺リンパ球浸潤と腺房細胞萎縮抗SS-A/抗SS-B
橋本病甲状腺慢性リンパ球性甲状腺炎抗TPO・抗サイログロブリン
多発性筋炎・皮膚筋炎骨格筋近位筋の炎症・萎縮抗Jo-1
関節リウマチ関節滑膜増殖性滑膜炎(パンヌス)リウマトイド因子、抗CCP抗体
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