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理由で解く 柔道整復師

QJ24A107 病理学概論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問107
問題
小児に多い悪性腫瘍はどれか。
選択肢
1 胃癌
2 ウィルムス(Wilms)腫瘍
3 大腸癌
4 腎細胞癌
解答
正解2(ウィルムス(Wilms)腫瘍)
解説

小児に多い悪性腫瘍はウィルムス腫瘍(腎芽腫)である。胎生期の未熟な腎組織が残存して腫瘍化したもので、2〜5歳頃に好発する。

悪性腫瘍は年齢層によって顔ぶれが大きく変わる。成人の悪性腫瘍の多くは上皮組織から生じる「癌腫」で、喫煙・食生活・慢性炎症など環境因子の長年の蓄積を背景に中高年で増える。一方、小児の悪性腫瘍は、胎生期の未分化な組織が残って腫瘍化した「芽腫(〜blastoma)」や造血器腫瘍が中心である。代表は白血病、脳腫瘍、神経芽腫、腎芽腫(ウィルムス腫瘍)、網膜芽細胞腫、肝芽腫、横紋筋肉腫などで、いずれも上皮由来ではない点が共通する。ウィルムス腫瘍は無症候性の腹部腫瘤として保護者が気づくことが多く、WT1遺伝子の異常が関与し、無虹彩症や泌尿生殖器奇形を合併することがある。手術・化学療法・放射線療法の併用により予後は比較的良好である。

✓ 2. 正しい
ウィルムス(Wilms)腫瘍
腎芽腫とも呼ばれ、胎生期の未熟な腎組織(後腎芽組織)に由来する小児の代表的な腎悪性腫瘍。2〜5歳に好発し、無症候性の腹部腫瘤として発見されることが多い。WT1遺伝子の異常が関与する。
✗ 1. 誤り
胃癌
胃粘膜上皮から発生する癌腫で、ヘリコバクター・ピロリ感染や塩分の多い食生活を背景に中高年で増加する。小児に多い腫瘍ではない。
✗ 3. 誤り
大腸癌
多くは腺腫から段階的に癌化する経路をたどり、加齢とともに増える成人の癌腫である。小児での発生はごく例外的である。
✗ 4. 誤り
腎細胞癌
近位尿細管上皮に由来する成人の腎悪性腫瘍で、グラヴィッツ腫瘍とも呼ばれる。50〜70歳台に多く、血尿・側腹部痛・腹部腫瘤が古典的三徴。同じ腎の腫瘍でも、小児は腎芽腫、成人は腎細胞癌と年齢で対比して覚えるとよい。
ポイント
  • 小児の悪性腫瘍=「芽腫(blastoma)」と造血器腫瘍が中心。上皮由来の癌腫は少ない。
  • 代表=白血病、脳腫瘍、神経芽腫、腎芽腫(ウィルムス腫瘍)、網膜芽細胞腫、肝芽腫
  • ウィルムス腫瘍は2〜5歳に好発。無症候性の腹部腫瘤で気づかれる。WT1遺伝子。
  • 腎の腫瘍:小児=腎芽腫/成人=腎細胞癌と対で覚える。
  • 胃癌・大腸癌・肺癌などの癌腫は中高年に多い。
比較表
小児の悪性腫瘍成人の悪性腫瘍
由来胎生期の未熟組織(芽腫)、造血器上皮組織(癌腫)が多い
代表例白血病、神経芽腫、ウィルムス腫瘍、網膜芽細胞腫、肝芽腫胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌、腎細胞癌
腎の腫瘍ウィルムス腫瘍(腎芽腫)腎細胞癌(グラヴィッツ腫瘍)
背景発生・分化の異常、先天的素因環境因子の長年の蓄積
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