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理由で解く 柔道整復師

QJ24A078 生理学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問78
問題
上皮小体ホルモンで正しいのはどれか。
選択肢
1 ビタミンKにより分泌が促進される。
2 甲状腺で産生される。
3 血中のカルシウムイオン濃度を高める。
4 ステロイドホルモンである。
解答
正解3(血中のカルシウムイオン濃度を高める。)
解説

上皮小体ホルモン(パラソルモン)は血中カルシウム濃度を上げるペプチドホルモンです。低カルシウム血症が分泌の刺激になります。

上皮小体(副甲状腺)は甲状腺の背面に付着した米粒大の内分泌腺で、通常4個あります。ここの主細胞は血中のカルシウム濃度を常に監視しており、濃度が下がるとホルモンの分泌を増やします。作用は3方向で、骨では骨吸収を進めてカルシウムを血中へ動員し、腎臓ではカルシウムの再吸収を高めるとともにリンの排泄を促し、さらに腎臓で活性型ビタミンDの合成を促進することで腸管からのカルシウム吸収を間接的に増やします。血中カルシウムを下げる方向に働くのは甲状腺の傍濾胞細胞から出るカルシトニンで、両者が拮抗して濃度を一定に保っています。名称が甲状腺と紛らわしいため、「上皮小体は甲状腺の裏側にある別の腺」と位置関係で覚えておくと確実です。

✓ 3. 正しい
血中のカルシウムイオン濃度を高める。
骨吸収の促進、腎でのカルシウム再吸収の促進、活性型ビタミンDを介した腸管吸収の増加という3つの経路で、血中カルシウム濃度を上げます。
✗ 1. 誤り
ビタミンKにより分泌が促進される。
分泌を左右するのは血中カルシウム濃度で、低下すると分泌が増えます。ビタミンKは凝固因子や骨基質蛋白の活性化に関わる別の因子です。
✗ 2. 誤り
甲状腺で産生される。
産生するのは甲状腺の背面に付着した上皮小体(副甲状腺)です。甲状腺自体が作るのは甲状腺ホルモンとカルシトニンで、両者は別の腺と考えます。
✗ 4. 誤り
ステロイドホルモンである。
アミノ酸からなるペプチドホルモンです。細胞膜表面の受容体に結合して作用します。ステロイドホルモンはコレステロールを原料とする副腎皮質・性腺のホルモンです。
ポイント
  • 上皮小体は甲状腺の背面に付着した通常4個の内分泌腺。甲状腺とは別物。
  • 上皮小体ホルモンはペプチドホルモンで、低カルシウム血症により分泌が増える。
  • 作用は骨吸収促進、腎でのカルシウム再吸収促進とリン排泄促進、活性型ビタミンD産生促進。
  • 結果として血中カルシウムは上昇、血中リンは低下する。
  • 拮抗するのは甲状腺傍濾胞細胞から出るカルシトニン(血中カルシウムを下げる)。
比較表
上皮小体ホルモンカルシトニン活性型ビタミンD
産生部位上皮小体(副甲状腺)甲状腺傍濾胞細胞腎臓で活性化
分泌刺激低カルシウム血症高カルシウム血症上皮小体ホルモン
骨吸収を促進骨吸収を抑制骨の石灰化を支える
カルシウム再吸収↑、リン排泄↑カルシウム排泄↑カルシウム再吸収↑
血中カルシウム上昇低下上昇
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