学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §2 血液 / QJ24A077

理由で解く 柔道整復師

QJ24A077 生理学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問77
問題
体内におけるカルシウムイオンの役割で正しいのはどれか。
選択肢
1 血液の凝固
2 浸透圧の維持
3 酸塩基平衡の調節
4 血液容量の保持
解答
正解1(血液の凝固)
解説

カルシウムイオンは血液凝固第IV因子そのものであり、凝固反応の多くの段階に必須です。イオンごとの主役を対応づけて覚えるのが要点です。

血液凝固は多数の因子が次々に活性化していく連鎖反応で、カルシウムイオンは活性化因子とリン脂質膜を橋渡しする役割を果たします。そのためカルシウムを取り除くと反応が止まり、この性質を利用してクエン酸ナトリウムやEDTAが採血管の抗凝固剤として使われます。カルシウムイオンには他にも、筋収縮でトロポニンCに結合して収縮を始動させる、神経終末で伝達物質の放出を引き起こす、多くの酵素を活性化する、骨や歯の主成分となるといった役割があります。一方、細胞外液の浸透圧を主に決めるのはナトリウムイオン、酸塩基平衡を支えるのは重炭酸イオンを中心とする緩衝系、血管内に水をとどめるのは血漿アルブミンによる膠質浸透圧です。イオンや蛋白ごとに「主役の仕事」を1つずつ結びつけておけば、この形式の問題は迷いません。

✓ 1. 正しい
血液の凝固
カルシウムイオンは凝固第IV因子であり、凝固カスケードの進行に不可欠です。カルシウムを結合させて取り除くと血液は固まらず、これが抗凝固剤の原理になっています。
✗ 2. 誤り
浸透圧の維持
細胞外液の浸透圧を主に担うのはナトリウムイオン(と対をなす塩化物イオン)です。カルシウムは血中濃度が低く、浸透圧への寄与はごくわずかです。
✗ 3. 誤り
酸塩基平衡の調節
pHの調節は重炭酸緩衝系を中心に、ヘモグロビン・リン酸・蛋白の緩衝作用と、肺の換気・腎の酸排泄が担います。カルシウムの役割ではありません。
✗ 4. 誤り
血液容量の保持
血漿量を保つのは主にアルブミンによる膠質浸透圧と、ナトリウムに伴う水分保持です。カルシウムイオンが直接担う働きではありません。
ポイント
  • カルシウムイオン=血液凝固第IV因子。凝固反応に必須。
  • クエン酸やEDTAはカルシウムを結合させて凝固を止める(採血管の原理)。
  • 他の役割は筋収縮の始動、神経伝達物質の放出、酵素の活性化、骨・歯の成分。
  • 浸透圧はナトリウム、pH調節は重炭酸緩衝系、血漿量保持はアルブミン。
  • 血中カルシウム濃度は上皮小体ホルモン・活性型ビタミンD・カルシトニンが調節する。
比較表
物質主な役割
カルシウムイオン血液凝固、筋収縮の始動、伝達物質の放出、骨の成分
ナトリウムイオン細胞外液の浸透圧と量の維持、活動電位の立ち上がり
カリウムイオン静止膜電位の維持、再分極
重炭酸イオン酸塩基平衡(緩衝系の中心)
アルブミン膠質浸透圧による血漿量の保持、物質の運搬
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