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理由で解く 柔道整復師

QJ24A076 生理学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問76
問題
糖質コルチコイドで誤っているのはどれか。
選択肢
1 血糖値を上昇させる。
2 グリコーゲン分解を促進する。
3 ストレスによって分泌される。
4 免疫抑制作用がある。
解答
正解2(グリコーゲン分解を促進する。)
解説

誤っている記述を選ぶ問題です。糖質コルチコイドは糖新生を進めて肝臓のグリコーゲンを「増やす」方向に働きます。グリコーゲン分解を促すのはグルカゴンやアドレナリンです。

糖質コルチコイド(コルチゾール)は副腎皮質束状層から分泌され、ストレスに対応する代表的なホルモンです。筋の蛋白を分解して得たアミノ酸を材料に肝臓で糖新生を進め、末梢組織でのブドウ糖の取り込みと利用を抑えることで血糖を上げます。糖新生でできたブドウ糖は肝臓にグリコーゲンとして蓄えられるため、肝グリコーゲン量はむしろ増加します。これに対しグルカゴンやアドレナリンは、蓄えられたグリコーゲンを分解して速やかにブドウ糖を放出させます。「コルチゾールは新しく作ってためる、グルカゴンとアドレナリンは在庫を取り崩す」と対比させると混同しません。分泌は視床下部の副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンと下垂体前葉のACTHによって調節され、早朝に高く夜間に低い日内変動を示します。

✓ 2. この記述が誤り(これが正答)
グリコーゲン分解を促進する。
糖質コルチコイドは糖新生を促し、肝臓のグリコーゲンを増やす方向に働きます。グリコーゲン分解を促進するのはグルカゴンとアドレナリンであり、作用の向きが逆です。
✗ 1. 正しい記述(設問の答えではない)
血糖値を上昇させる。
糖新生の促進と末梢での糖利用の抑制により血糖を上げます。「糖質」コルチコイドという名称そのものが、この作用に由来します。
✗ 3. 正しい記述(設問の答えではない)
ストレスによって分泌される。
寒冷・外傷・感染・精神的緊張などのストレスで視床下部−下垂体−副腎皮質系が活性化し、分泌が増えます。ストレスホルモンと呼ばれる所以です。
✗ 4. 正しい記述(設問の答えではない)
免疫抑制作用がある。
炎症性物質の産生を抑え、リンパ球の働きを抑制します。この作用を利用したステロイド薬が抗炎症・免疫抑制の目的で広く用いられています。
ポイント
  • 糖質コルチコイドは副腎皮質束状層から分泌され、ACTHの支配を受ける。
  • 作用は糖新生促進・末梢での糖利用抑制による血糖上昇、蛋白異化、抗炎症・免疫抑制。
  • 肝グリコーゲンは増加する。分解を促すのはグルカゴンとアドレナリン。
  • ストレスで分泌が増え、早朝に高く夜間に低い日内変動がある。
  • 過剰でクッシング症候群(中心性肥満・満月様顔貌・易感染性)を生じる。
比較表
ホルモン血糖への作用肝グリコーゲン主な機序
糖質コルチコイド上昇増加糖新生の促進、末梢での糖利用抑制
グルカゴン上昇減少グリコーゲン分解、糖新生
アドレナリン上昇減少グリコーゲン分解
成長ホルモン上昇末梢での糖利用抑制
インスリン低下増加細胞への糖取り込み、グリコーゲン合成
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