学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ24A053

理由で解く 柔道整復師

QJ24A053 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問53
問題
写真(別冊 No. 2)を別に示す。尾状核はどれか。
図
選択肢
1 a
2 b
3 c
4 d
解答
正解2
解説

尾状核は側脳室に沿ってC字状に走る核で、とくに頭部が側脳室前角の外側壁を内側へ膨隆させるのが最大の目印である。この条件を満たす灰白質が尾状核であり、本問の正答はb である。

大脳基底核のうち、尾状核と被殻を合わせて線条体という。両者は発生的には一つの塊で、内包前脚に貫かれて分かれるが、下方(前下部)では連続している。被殻と淡蒼球を合わせたものがレンズ核で、これは内包の外側に位置する。したがって断面の種類にかかわらず、内包(レンズ核の内側を走る白質帯)を境界線として、「内包より内側で側脳室に接する灰白質=尾状核」「内包より外側の三角形の塊=レンズ核(外側が被殻、内側が淡蒼球)」と読み分けられる。なお内包の見え方は断面で異なり、水平断ではV字(ハの字)に折れ曲がった白質帯として見えるが、前頭断では尾状核・視床(内側)とレンズ核(外側)の間を斜走する帯として現れる。形は違っても「内包より内側か外側か」で切り分けるという判定基準は共通である。視床は内包後脚の内側にあり、尾状核と視床はいずれも内包より内側に位置する(尾状核頭部は前脚の内側、視床は後脚の内側で、内包の膝の内側を挟んで前後に並ぶ)。尾状核体と視床を境しているのは終線条・視床線条体溝であって内包ではなく、内包後脚が隔てているのは視床(内側)とレンズ核(外側)である点に注意したい。尾状核は頭・体・尾に分かれ、尾部は側脳室下角の天井に沿って側頭葉へ回り込み、扁桃体の近くまで戻ってくる。

✓ 2. 正しい
b
正答は b である。図で尾状核を同定する手順は、①まず正中付近の側脳室(前角)を見つける、②その外側壁を内側へ押し上げるように膨らむ灰白質を探す、③その外側に走る内包を確認して、内包より内側にあることを確かめる、の3ステップ。「側脳室前角の外側壁に接する/内包より内側/前方寄り」という3条件を同時に満たすのは尾状核(頭部)だけである。
✗ 1. 誤り
a
a は上記3条件(側脳室前角の外側壁に接する/内包より内側/前方寄り)のいずれかを満たさないため、尾状核ではない。判定の手順としては、まず内包を境界線として見つけ、その内側か外側かを決めるのが確実である。内包より外側の領域はレンズ核以下の構造であり、尾状核の候補から外れる。
✗ 3. 誤り
c
c も同じ3条件のいずれかを満たさないため誤りである。注意したいのは、内包より内側にある灰白質=尾状核とは限らない点で、内包より内側でも後方寄りで第三脳室に面する塊は別の構造にあたる。したがって「内包より内側」に加えて「側脳室前角の外側壁に接する」「前方寄り」まで確かめる必要がある。
✗ 4. 誤り
d
d も3条件を満たさないため尾状核ではない。とくに内包より外側の領域は、外側から内側へ島皮質 → 最外包 → 前障 → 外包 → 被殻 → 淡蒼球 → 内包という層構造をなしており、ここに含まれる構造はいずれも尾状核ではない。この層順を押さえておくと、外側寄りの記号を尾状核と誤認せずに済む。
ポイント
  • 尾状核の最大の目印は側脳室に沿って走ること。頭部は前角の外側壁を内側へ膨隆させる。
  • 尾状核と判定する3条件:側脳室前角の外側壁に接する/内包より内側/前方寄り
  • 線条体=尾状核+被殻(内包前脚で分かれるが下方で連続)。レンズ核=被殻+淡蒼球。
  • 断面図の読み方:内包を境に内側=尾状核・視床、外側=レンズ核。内包は水平断ではV字(ハの字)前頭断では尾状核・視床とレンズ核の間を斜走する帯として見える(V字に見えるのは水平断のみ)。
  • 外側から内側への層順:島皮質 → 最外包 → 前障 → 外包 → 被殻 → 淡蒼球 → 内包(最外包は島皮質と前障の間、外包は前障と被殻の間)。
  • 尾状核も視床も内包より内側(尾状核頭部=前脚の内側、視床=後脚の内側)。尾状核体と視床の境は終線条・視床線条体溝
  • 内包後脚が隔てるのは視床(内側)とレンズ核(外側)。視床と尾状核を隔てているのではない。
  • 尾状核は頭・体・尾に分かれ、尾部は側脳室下角の天井を回って扁桃体の近くまで戻るC字構造をとる。
比較表
構造内包との位置関係接する脳室・目印所属
尾状核内側(前脚の内側)側脳室に沿ってC字状に走る/前角の外側壁を膨隆させる線条体(+被殻)
レンズ核(被殻+淡蒼球)外側内包の外側にある三角形の塊大脳基底核
被殻外側(レンズ核の外側部)外包・前障の内側線条体/レンズ核
淡蒼球外側(被殻の内側)内包に接する三角形の内側部レンズ核
視床内側(後脚の内側)/後脚を挟んでレンズ核と向かい合う第三脳室に面し、後方寄り。尾状核体とは終線条・視床線条体溝で境される間脳
前障外側(レンズ核の外側)外包と最外包に挟まれる薄板終脳
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