学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §7 生殖器系 / QJ24A052

理由で解く 柔道整復師

QJ24A052 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問52
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 子宮円索は鼡径管を通る。
2 子宮頸部は子宮広間膜に覆われる。
3 黄体は子宮内膜で形成される。
4 卵胞は卵管膨大部で成熟する。
解答
正解1(子宮円索は鼡径管を通る。)
解説

子宮円索(子宮円靱帯)は深鼠径輪から鼠径管に入り、浅鼠径輪を出て大陰唇の皮下に終わる。したがって「子宮円索は鼡径管を通る」が正しい。

子宮円索は卵管の子宮口のすぐ下(子宮角)から起こり、子宮広間膜の前葉に包まれて前外側へ走り、鼠径管を通り抜けて大陰唇の皮下で線維が散在して終わる。発生学的には男性の精巣導帯に相当する構造で、鼠径管を通る主要構造は男性では精索、女性では子宮円索という対応で覚えると確実である。機能的には子宮体を前上方へ引き、子宮の前傾前屈位の保持を助ける。ただし子宮を支える力の主体は基靱帯(子宮頸横靱帯)と仙骨子宮靱帯であり、円索は位置の方向づけを担う、という役割分担で整理しておくとよい。

✓ 1. 正しい
子宮円索は鼡径管を通る。
子宮角 → 子宮広間膜前葉 → 深鼠径輪 → 鼠径管 → 浅鼠径輪 → 大陰唇、という経路をたどる。この走行を一続きで書き出せるようにしておくと、鼠径部の解剖と女性生殖器の設問の両方に対応できる。
✗ 2. 誤り
子宮頸部は子宮広間膜に覆われる。
子宮広間膜は、子宮の前後面を覆う腹膜が側縁で合わさって骨盤側壁まで広がる二重の腹膜ヒダで、覆うのは主として子宮体部である。子宮頸部、とくに腟上部は広間膜の基部の下で子宮傍結合組織(基靱帯)に取り囲まれ、前方の腹膜は膀胱子宮窩へ移行してしまう。正しく言い直すなら「子宮体部の腹膜が側方で子宮広間膜に続く」となる。
✗ 3. 誤り
黄体は子宮内膜で形成される。
黄体は排卵後の卵巣にできる。排卵で卵子を放出した後に残った卵胞壁の顆粒膜細胞・莢膜細胞が黄体細胞へ変化し、プロゲステロンを主体に分泌する内分泌組織となる。子宮内膜はその作用を受けて分泌期(黄体期)に変化する側であり、作る側と受ける側を取り違えないようにしたい。
✗ 4. 誤り
卵胞は卵管膨大部で成熟する。
卵胞は卵巣皮質のなかで原始卵胞 → 一次卵胞 → 二次卵胞 → 胞状卵胞(グラーフ卵胞)と成熟し、排卵に至る。卵管膨大部は卵管で最も太く長い部分で、通常はここが受精の場となる。「成熟=卵巣、受精=卵管膨大部、着床=子宮内膜」と場所を3段階で並べて覚えるとよい。
ポイント
  • 子宮円索の走行:子宮角 → 子宮広間膜前葉 → 深鼠径輪 → 鼠径管 → 浅鼠径輪 → 大陰唇。
  • 鼠径管を通る主要構造は男性=精索、女性=子宮円索。子宮円索は男性の精巣導帯に相当する。
  • 子宮広間膜は主に子宮体部を覆う腹膜ヒダ。頸部を支えるのは基靱帯(子宮頸横靱帯)と仙骨子宮靱帯。
  • 黄体は卵巣で排卵後の卵胞から形成され、プロゲステロンを分泌する。
  • 場所の三段構え:卵胞の成熟=卵巣、受精=卵管膨大部、着床=子宮内膜。
比較表
事象・構造起こる(存在する)場所補足
子宮円索の通過路鼠径管 → 大陰唇精巣導帯の相同物。子宮の前傾前屈を助ける
子宮広間膜が覆う部位主に子宮体部頸部(腟上部)は基靱帯・子宮傍組織に囲まれる
黄体の形成卵巣(排卵後の卵胞)プロゲステロンを主に分泌
卵胞の成熟卵巣皮質原始 → 一次 → 二次 → 胞状卵胞
受精卵管膨大部着床は子宮内膜(子宮体部)
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