学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §7 生殖器系 / QJ24A051

理由で解く 柔道整復師

QJ24A051 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問51
問題
射精に先立ちアルカリ性の液体を分泌するのはどれか。
選択肢
1 精嚢
2 前立腺
3 尿道球腺
4 大前庭腺
解答
正解3(尿道球腺)
解説

射精に「先立って」出る透明でアルカリ性の粘液を分泌するのは尿道球腺(Cowper腺)である。尿道に残った酸性の尿を中和し、精子が通る道をあらかじめ整える役割をもつ。

男性の付属生殖腺は精嚢・前立腺・尿道球腺の3つ。このうち尿道球腺は尿生殖隔膜(深会陰横筋の層)の中にある小豆大の腺で、導管は尿道海綿体部に開く。性的興奮の段階で少量の粘液を分泌し、尿道内に残る酸性の尿を洗い流して中和するとともに潤滑をあたえる。精嚢と前立腺の分泌液は射精の瞬間に精子と合流して精液となるため、この設問は「アルカリ性かどうか」ではなく「射精に先立つかどうか」という時間差で答えが決まる。

✓ 3. 正しい
尿道球腺
尿生殖隔膜内にある小さな腺で、導管は尿道海綿体部に開く。性的興奮時、すなわち射精に先立って透明・アルカリ性の粘液を分泌し、尿道内の酸性環境を中和して精子を保護し、通過を滑らかにする。女性の大前庭腺と発生学的に相同である。
✗ 1. 誤り
精嚢
分泌液はたしかにアルカリ性で、果糖を多く含み精液量の約7割を占める。しかし膀胱底の後方にあり、導管は精管と合して射精管となるため、その分泌液が出るのは射精の時である。性状は合っていてもタイミングが設問の条件に合わない。
✗ 2. 誤り
前立腺
分泌液は乳白色で弱酸性(pH6前後)。酸性ホスファターゼやクエン酸、精液を液化させる酵素を含み、射精時に尿道前立腺部へ出る。アルカリ性でもなく、先行して分泌されるわけでもない。
✗ 4. 誤り
大前庭腺
女性の腟前庭(小陰唇の内側)に開く腺で、性的興奮時に粘液を出して潤滑する。尿道球腺と相同の器官として対で覚える価値はあるが、男性の射精には関与しない。
ポイント
  • 尿道球腺(Cowper腺)=尿生殖隔膜内。射精に先立ってアルカリ性の粘液を尿道海綿体部へ分泌する。
  • 目的は「尿道に残る酸性の尿の中和」と「潤滑」。機序で覚えると腺の名前が出てくる。
  • 精嚢液はアルカリ性・果糖に富み精液量の約70%、前立腺液は弱酸性・乳白色で約20〜30%。いずれも射精時に放出。
  • 大前庭腺(Bartholin腺)は女性の器官で、尿道球腺と発生学的に相同。
  • 男性付属生殖腺の3つ(精嚢・前立腺・尿道球腺)は、位置・性状・タイミングの3点セットで整理する。
比較表
位置分泌液の性状分泌のタイミング対応する器官
尿道球腺尿生殖隔膜内、導管は尿道海綿体部へ開口透明・粘性・アルカリ性射精に先立つ大前庭腺(女性)
精嚢膀胱底の後方、導管は精管と合し射精管へアルカリ性・果糖に富む射精時(精液量の約70%)
前立腺膀胱の下、尿道前立腺部を囲む乳白色・弱酸性(pH6前後)射精時(精液量の約20〜30%)
大前庭腺腟前庭の後外側粘液性性的興奮時(女性)尿道球腺(男性)
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