学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §32 足関節外側靱帯損傷の診察 / QJ24A030

理由で解く 柔道整復師

QJ24A030 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問30
問題
前距腓靱帯損傷で疼痛が著しく増強するのはどれか。
選択肢
1 距骨後方押し込み強制
2 足部内がえし強制
3 足関節外転強制
4 足関節背屈強制
解答
正解2(足部内がえし強制)
解説

前距腓靱帯は足関節底屈位で内がえし(内反)を強制されたときに最も伸ばされます。したがって足部内がえし強制で疼痛が著しく増強します。

前距腓靱帯は外果の前縁から前内方へ走って距骨頸に付きます。足関節が底屈すると靱帯の走行が下腿の長軸に近づき、距骨の内反と前方移動を抑える主役になります。そこへ内がえし(底屈+内転+回外)が加わると強く緊張して損傷します。足関節捻挫のなかで最も損傷頻度が高く、外果前下方に限局した圧痛・腫脹・皮下出血がみられます。不安定性の評価は前方引き出しテスト(踵を前方へ引いて距骨の前方移動をみる)で、内反ストレスでは踵腓靱帯の関与も併せて評価します。急性期はRICE(安静・冷却・圧迫・挙上)と内がえしを制限する固定を行い、外果・第5中足骨基部などの圧痛から骨折が疑われる場合は医師の診察を勧めます。

✓ 2. 該当する
足部内がえし強制
受傷肢位そのものを再現する操作なので、損傷した前距腓靱帯が伸張されて疼痛が著明に増強します。評価のためのストレス操作は必要最小限にとどめ、痛みが強ければ中止して固定を優先します。
✗ 1. 該当しない
距骨後方押し込み強制
距骨を後方へ押すと前距腓靱帯はむしろ緩みます。この靱帯の緊張と不安定性をみる操作は、逆に踵を持って距骨を前方へ引き出す前方引き出しテストです。
✗ 3. 該当しない
足関節外転強制
外転(外がえし)で緊張するのは内側の三角靱帯で、前距腓靱帯は弛緩します。内果下方の圧痛を伴う場合は三角靱帯損傷を考えます。
✗ 4. 該当しない
足関節背屈強制
背屈位では前距腓靱帯は緩み、代わりに踵腓靱帯や後距腓靱帯が緊張します。背屈や外旋の強制で痛むときは遠位脛腓靱帯結合(前脛腓靱帯)の損傷も考慮します。
ポイント
  • 前距腓靱帯は底屈+内がえしで最も緊張する。足関節捻挫で損傷頻度が最も高い。
  • 圧痛・腫脹・皮下出血は外果前下方に限局する。
  • 不安定性の評価は前方引き出しテスト。後方への押し込みでは緩んで評価にならない。
  • 外転(外がえし)強制は三角靱帯、背屈強制は踵腓靱帯・後距腓靱帯が緊張する。
  • 急性期はRICEと内がえしを制限する固定。外果や第5中足骨基部の圧痛があれば骨折を疑い医師へつなぐ。
比較表
靱帯緊張する肢位損傷しやすい強制方向圧痛部位
前距腓靱帯底屈底屈位での内がえし外果の前下方
踵腓靱帯背屈背屈位での内がえし外果の下方
後距腓靱帯背屈高度の内がえし外果の後方
三角靱帯外がえし(外転)外がえし・外転強制内果の下方
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