学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ24A022

理由で解く 柔道整復師

QJ24A022 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問22
問題
長期臥床による合併症はどれか。
選択肢
1 挫滅症候群
2 脂肪塞栓症
3 区画症候群
4 深部静脈血栓症
解答
正解4(深部静脈血栓症)
解説

長期臥床では下腿の筋ポンプが働かず、静脈血が滞ります。その代表的な合併症が深部静脈血栓症で、肺血栓塞栓症の原因になります。

血栓ができる条件はウィルヒョウの3徴(血流の停滞・血管内皮の障害・血液凝固能の亢進)です。臥床はこのうち「血流の停滞」を直接つくり出し、脱水や術後の凝固亢進が重なると下肢の深部静脈に血栓が形成されます。腓腹部の腫脹・熱感・把握痛、足関節背屈で腓腹部が痛むホーマンズ徴候などがみられ、血栓が遊離して肺動脈を閉塞すれば突然の呼吸困難・胸痛・ショックをきたします。ほかの3つはいずれも外傷そのものに伴う急性の病態で、臥床期間の長さとは結びつきません。予防は早期離床、足関節の自動底背屈運動、弾性ストッキング、十分な水分摂取です。

✓ 4. 該当する
深部静脈血栓症
臥床による血流停滞が直接の誘因となる、長期臥床の代表的合併症です。腓腹部の腫脹や把握痛に気づいたら運動を促す前に医師の診察につなぎ、血栓を飛ばす恐れのあるマッサージは行いません。
✗ 1. 該当しない
挫滅症候群
四肢が長時間圧迫されて筋が壊死し、圧迫を解除した後にカリウムやミオグロビンが全身循環へ流れ込み、高カリウム血症や急性腎不全を起こす病態です。災害時の下敷きなどが典型で、臥床の合併症ではありません。
✗ 2. 該当しない
脂肪塞栓症
大腿骨などの長管骨骨折や骨盤骨折、骨手術のあと、おおむね受傷後24〜72時間に骨髄の脂肪滴が循環に入って起こります。呼吸障害・意識障害・点状出血が三徴で、骨折直後に警戒する合併症です。
✗ 3. 該当しない
区画症候群
骨折や打撲、きつすぎる固定などで筋区画の内圧が上がり、循環障害から筋・神経が壊死する急性期(受傷後数時間〜48時間)の病態です。固定後に激しい痛みや他動伸張痛、しびれが出たら直ちに固定を緩め、医師の診察につなぎます。
ポイント
  • 長期臥床→血流停滞→深部静脈血栓症→肺血栓塞栓症、の流れで覚える。
  • ウィルヒョウの3徴:血流停滞・血管内皮障害・凝固能亢進。
  • 予防は早期離床、足関節の自動底背屈運動、弾性ストッキング、水分摂取。
  • 挫滅症候群=圧迫解除後、脂肪塞栓症=長管骨骨折後24〜72時間、区画症候群=受傷・固定後の急性期。
  • 臥床の合併症は他に褥瘡、沈下性肺炎、関節拘縮、筋・骨萎縮、起立性低血圧など。
比較表
病態主な誘因起こる時期キーワード
深部静脈血栓症長期臥床・不動臥床が続くほど増加腓腹部の腫脹・把握痛、肺血栓塞栓症
挫滅症候群四肢の長時間圧迫圧迫を解除した直後高カリウム血症、ミオグロビン尿、急性腎不全
脂肪塞栓症長管骨・骨盤骨折受傷後24〜72時間呼吸障害・意識障害・点状出血
区画症候群骨折、きつい固定受傷・固定後の数時間〜48時間他動伸張痛、しびれ、固定の解除
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