学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §37 生理学 / QJ24A007

理由で解く 柔道整復師

QJ24A007 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問7
問題
栄養素が吸収される主な部位はどれか。
選択肢
1 食道
2
3 小腸
4 大腸
解答
正解3(小腸)
解説

糖・アミノ酸・脂肪・ビタミン・ミネラルなど、栄養素の大半は小腸で吸収されます。正答は3。

小腸が吸収の主役になれるのは、構造で表面積を極限まで稼いでいるからです。輪状ヒダ、絨毛、さらに上皮細胞表面の微絨毛(刷子縁)という三段構えで、表面積は単純な管の数百倍になります。刷子縁にはマルターゼやペプチダーゼなどの膜消化酵素が並び、最終消化と吸収が同じ場所で連続して起こります。吸収された単糖とアミノ酸は毛細血管から門脈を経て肝臓へ、脂肪酸とモノグリセリドは胆汁酸ミセルとして取り込まれた後カイロミクロンに再合成され、リンパ管(中心乳び管)に入ります。部位によって役割分担があり、鉄とカルシウムは十二指腸から空腸上部、ビタミンB₁₂と胆汁酸は回腸末端で吸収されます。そのため回腸末端の切除ではビタミンB₁₂欠乏による巨赤芽球性貧血が問題になります(自己免疫性胃炎などによる内因子欠乏が原因の悪性貧血とは、同じB₁₂欠乏でも成因が異なります)。

✗ 1. 誤り
食道
蠕動によって食塊を胃へ送る通路であり、消化も吸収もほとんど行わない。粘膜は重層扁平上皮で吸収に適した構造をもたない。
✗ 2. 誤り
塩酸とペプシンによるタンパク質の消化、食塊の攪拌と貯留が主な仕事。吸収はアルコールや一部の薬物などごく一部に限られ、栄養素の主な吸収部位ではない。なお胃はビタミンB₁₂の吸収に必要な内因子を分泌しており、これが失われると悪性貧血となる。
✓ 3. 正しい
小腸
輪状ヒダ・絨毛・微絨毛で広大な表面積をもち、膜消化と吸収を担う。糖とアミノ酸は門脈へ、脂肪はリンパ管へと吸収経路が分かれる点も押さえたい。
✗ 4. 誤り
大腸
主に水分と電解質を吸収して便を形成する。腸内細菌による発酵でビタミンK・一部のB群がつくられるが、三大栄養素の吸収の場ではない。
ポイント
  • 栄養素吸収の主役は小腸。輪状ヒダ+絨毛+微絨毛で表面積を稼ぐ。
  • 単糖・アミノ酸 → 毛細血管 → 門脈 → 肝臓。脂肪 → カイロミクロン → リンパ管(中心乳び管)
  • 鉄・カルシウムは十二指腸〜空腸上部、ビタミンB₁₂と胆汁酸は回腸末端で吸収される。
  • ビタミンB₁₂欠乏の原因は2系統。回腸末端の切除・病変=吸収部位の障害による巨赤芽球性貧血自己免疫性萎縮性胃炎や胃切除による内因子欠乏=悪性貧血。用語を混同しない。
  • 胃はタンパク質消化と貯留、および内因子の分泌が主。吸収はアルコールなど一部にとどまる。
  • 大腸は水分・電解質の吸収と便形成、腸内細菌による発酵の場。
比較表
部位主な働き吸収
食道蠕動による輸送ほぼなし
塩酸・ペプシンによる消化、攪拌・貯留、内因子の分泌アルコール・一部薬物のみ
小腸膜消化と吸収栄養素の大半(回腸末端でビタミンB₁₂・胆汁酸)
大腸便形成、腸内細菌による発酵水・電解質、細菌産生ビタミン
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