学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §37 生理学 / QJ24A006

理由で解く 柔道整復師

QJ24A006 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問6
問題
血圧を上昇させるのはどれか。
選択肢
1 大出血
2 尿量増加
3 血管拡張
4 心拍出量増加
解答
正解4(心拍出量増加)
解説

血圧は「心拍出量 × 全末梢血管抵抗」で決まります。心拍出量が増えれば血圧は上がるので、正答は4。

この式を軸にすると、血圧を動かす要因はすべて「ポンプの出力を変えるもの」と「管の抵抗を変えるもの」に整理できます。心拍出量は1回拍出量×心拍数で、1回拍出量は静脈還流量(前負荷)、心筋の収縮力、後負荷で決まります。したがって出血や脱水で循環血液量が減れば前負荷が下がり血圧は低下し、逆に輸液や交感神経刺激で心拍出量が増えれば血圧は上がります。末梢抵抗のほうは血管の口径で大きく変わり、細動脈が収縮すれば上昇、拡張すれば低下します(抵抗は血管半径の4乗に反比例するため、わずかな口径変化が大きく効きます)。降圧薬が利尿薬・血管拡張薬・β遮断薬に大別されるのも、この3つの入口に対応しているからです。

✗ 1. 誤り
大出血
循環血液量が減って静脈還流量が低下し、心拍出量が落ちて血圧は下がる(出血性ショック)。代償として頻脈・末梢血管収縮・冷汗が現れるため、これらを見たら循環血液量減少を疑って救急対応につなぐ。
✗ 2. 誤り
尿量増加
体液量が減って循環血液量が低下し、血圧は下がる方向に働く。利尿薬が降圧薬として使われるのはこの機序による。
✗ 3. 誤り
血管拡張
細動脈が拡張すると全末梢血管抵抗が下がり、血圧は低下する。アナフィラキシーや敗血症で血圧が急落するのはこの機序が中心。
✓ 4. 正しい
心拍出量増加
ポンプの出力が増えるため、末梢抵抗が同じなら血圧は上昇する。運動時に収縮期血圧が上がるのはこの要因が大きい。
ポイント
  • 平均血圧 ≒ 心拍出量 × 全末梢血管抵抗。血圧の問題はまずこの式に当てはめる。
  • 心拍出量=1回拍出量 × 心拍数。1回拍出量は前負荷(静脈還流量)・収縮力・後負荷で決まる。
  • 血圧を下げる要因=出血・脱水・利尿・血管拡張・心収縮力低下。上げる要因=循環血液量増加・心拍出量増加・血管収縮。
  • 血管抵抗は半径の4乗に反比例するので、細動脈のわずかな口径変化が血圧を大きく動かす。
  • 血圧低下は圧受容器反射(頸動脈洞・大動脈弓)で感知され、交感神経が働いて心拍数増加・血管収縮という代償が起こる。
比較表
要因働く経路血圧
心拍出量増加ポンプ出力↑上昇
血管収縮末梢抵抗↑上昇
循環血液量増加(輸液など)前負荷↑→心拍出量↑上昇
大出血・脱水前負荷↓→心拍出量↓低下
尿量増加体液量↓→前負荷↓低下
血管拡張末梢抵抗↓低下
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