学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §37 生理学 / QJ24A005

理由で解く 柔道整復師

QJ24A005 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問5
問題
細胞小器官で ATPを合成するのはどれか。
選択肢
1 小胞体
2 中心小体
3 ゴルジ装置
4 ミトコンドリア
解答
正解4(ミトコンドリア)
解説

ATPを大量に合成する細胞小器官はミトコンドリアです。正答は4。

ミトコンドリアは二重膜構造をもち、内膜がひだ状に折れ込んだクリステで表面積を稼いでいます。マトリックスでクエン酸回路が回ってNADH・FADH₂がつくられ、内膜の電子伝達系がこれを使ってH⁺を膜間腔に汲み出し、その濃度勾配のエネルギーでATP合成酵素がATPをつくります(酸化的リン酸化)。グルコース1分子から解糖系で得られるATPはわずか2分子ですが、ミトコンドリアが働けば合計30分子前後まで増えるため、心筋・骨格筋(特に遅筋)・肝細胞などエネルギー需要の高い細胞にはミトコンドリアが密に存在します。独自のDNAをもち母系遺伝すること、アポトーシスの引き金となるシトクロムcを放出することも頻出事項です。

✗ 1. 誤り
小胞体
リボソームが付いた粗面小胞体は分泌タンパク質の合成、リボソームのない滑面小胞体は脂質・ステロイドの合成、薬物の解毒、カルシウムの貯蔵(筋では筋小胞体)を担う。ATP産生の場ではない。
✗ 2. 誤り
中心小体
微小管でできた円筒構造で、細胞分裂時に紡錘体を形成し染色体を引き分ける。線毛・鞭毛の基部(基底小体)にもなる。エネルギー産生には関与しない。
✗ 3. 誤り
ゴルジ装置
小胞体でつくられたタンパク質に糖鎖などの修飾を加え、行き先ごとに選別して分泌顆粒やリソソームに送り出す「仕分け場」。ATPは合成しない。
✓ 4. 正しい
ミトコンドリア
マトリックスのクエン酸回路と内膜の電子伝達系・ATP合成酵素により、酸素を使って効率よくATPを合成する。「細胞の発電所」と呼ばれる所以。
ポイント
  • ミトコンドリア=二重膜、内膜のひだ=クリステ、内部=マトリックス。クエン酸回路と電子伝達系(酸化的リン酸化)の場。
  • 解糖系(細胞質・酸素不要)は2ATP、ミトコンドリアが加わると1グルコースあたり計30程度のATPになる。
  • 粗面小胞体=タンパク質合成、滑面小胞体=脂質合成・解毒・Ca²⁺貯蔵、ゴルジ装置=修飾と選別、リソソーム=加水分解酵素による分解。
  • ミトコンドリアは独自DNAをもち母系遺伝する。遅筋線維や心筋に豊富。
  • 中心小体は細胞分裂時の紡錘体形成を担う微小管由来の構造。
比較表
細胞小器官主な働き
ミトコンドリアATP産生(クエン酸回路・電子伝達系)
粗面小胞体分泌タンパク質の合成
滑面小胞体脂質・ステロイド合成、解毒、Ca²⁺貯蔵
ゴルジ装置糖鎖修飾・選別・分泌顆粒形成
リソソーム加水分解酵素による細胞内消化
中心小体紡錘体形成、線毛・鞭毛の基部
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