学習トップ理由で解く 生理学第10章 ▸ C. シナプス伝達 / Q0616

理由で解く 生理学

Q0616 神経

出典:あマ指 第6回(1998) 問題45
問題
神経伝達物質について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 γ-アミノ酪酸は抑制性である。
2 グリシンは興奮性である。
3 オピオイドペプチドは鎮痛に重要である。
4 P 物質は痛覚に重要である。
解答
正解2(グリシンは興奮性である。)
解説
✗ 1.
γ-アミノ酪酸は抑制性である。
✗ 正しい。γ-アミノ酪酸(GABA)は脳で最も豊富な抑制性神経伝達物質であり、GABA-A受容体を介してCl-チャネルを開口させ、シナプス後膜の過分極(IPSP)を引き起こす。
✓ 2. 誤り
グリシンは興奮性である。
グリシンは中枢神経系(特に脊髄・脳幹)において抑制性の神経伝達物質として機能する。興奮性ではない。GABAが脳の主要な抑制性伝達物質であるのに対し、グリシンは脊髄・脳幹の主要な抑制性伝達物質である。グリシンもCl-チャネルを開口させてIPSPを生じる。
✗ 3.
オピオイドペプチドは鎮痛に重要である。
✗ 正しい。オピオイドペプチド(エンケファリン、β-エンドルフィンなど)は内因性鎮痛物質として下行性疼痛抑制系に関与し、痛覚の伝達を抑制する。
✗ 4.
P 物質は痛覚に重要である。
✗ 正しい。P物質(サブスタンスP)は一次求心性C線維の末端から脊髄後角に放出される神経ペプチドであり、痛覚の伝達に重要な役割を果たす。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 「中枢の抑制性伝達物質=GABA(脳)とグリシン(脊髄)」をセットで覚える。「興奮性=グルタミン酸」と対比する。
  • 関連知識: 問601(中枢の化学伝達物質)でもグルタミン酸が興奮性伝達物質として出題されている。破傷風毒素はグリシンの放出を阻害して痙攣を引き起こす。
  • よくある間違い: グリシンをアミノ酸(タンパク質の構成成分)としてのみ認識し、抑制性神経伝達物質としての役割を忘れやすい。
  • 教科書では「d.神経伝達物質」の範囲に該当する。
比較表
伝達物質 作用 主な分布部位
グルタミン酸 興奮性 中枢神経系全般
GABA 抑制性
グリシン 抑制性 脊髄・脳幹
サブスタンスP 痛覚伝達 脊髄後角
オピオイドペプチド 鎮痛(痛覚抑制) 下行性疼痛抑制系
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題45|神経伝達物質について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題45|神経伝達物質について誤っている記述はどれか。
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