学習トップ理由で解く 生理学第10章 ▸ C. シナプス伝達 / Q0615

理由で解く 生理学

Q0615 神経

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題48
問題
化学シナプスにおける伝達機構で誤っている記述はどれか。
選択肢
1 疲労しにくい。
2 シナプス遅延がある。
3 一方向性に伝達する。
4 抑制性神経伝達物質がある。
解答
正解1(疲労しにくい。)
解説
✓ 1. 誤り
疲労しにくい。
化学シナプスは「疲労しやすい」のが正しく、「疲労しにくい」は誤りである。高頻度の刺激が持続すると、シナプス小胞内の神経伝達物質が枯渇し、伝達効率が低下してシナプス疲労が生じる。これは化学シナプス伝達の重要な特徴の一つであり、過剰な神経興奮を防ぐ生理的調節機構としても機能する。
✗ 2.
シナプス遅延がある。
✗ 正しい。化学シナプスでは伝達物質の放出・シナプス間隙での拡散・後膜受容体への結合に時間を要するため、約0.5msのシナプス遅延が生じる。
✗ 3.
一方向性に伝達する。
✗ 正しい。化学シナプスは構造的にシナプス前膜から伝達物質が放出され後膜の受容体に結合するため、一方向性伝達である。神経線維の両方向性伝導と対照的である。
✗ 4.
抑制性神経伝達物質がある。
✗ 正しい。GABA(脳での主要な抑制性伝達物質)やグリシン(脊髄での主要な抑制性伝達物質)などの抑制性神経伝達物質が存在し、Cl-チャネルを開口させてIPSP(抑制性シナプス後電位)を生じる。
ポイント
  • 覚え方のコツ: シナプス伝達の特徴を「い(一方向)・ち(遅延)・ひ(疲労しやすい)・か(加重)・や(薬物に感受性)」で覚える。伝導の3原則「両方向・不減衰・絶縁」とは全く異なる点に注意する。
  • 関連知識: 問603(シナプス伝達の特徴)とも関連する。興奮性伝達物質(グルタミン酸→EPSP)と抑制性伝達物質(GABA・グリシン→IPSP)の区別も重要である。
  • よくある間違い: 「神経線維の伝導は不減衰=疲労しにくい」という知識と混同して「シナプスも疲労しにくい」と誤解しやすい。シナプスは伝達物質の枯渇により疲労しやすい。
  • 教科書では「c.シナプス伝達」の範囲に該当する。
比較表
特徴 神経線維の伝導 シナプスの伝達
方向性 両方向性 一方向性
速度 速い 遅い(遅延あり)
疲労 しにくい しやすい
薬物感受性 低い 高い
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題48|化学シナプスにおける伝達機構で誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題48|化学シナプスにおける伝達機構で誤っている記述はどれか。
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