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理由で解く 作業療法士

QO60P004 作業療法評価学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午後 問4
問題
21歳の女性。先天性の右上肢欠損。上肢の写真を図に示す。起こり得る2次性の障害で最もみられるのはどれか。
図
選択肢
1 幻肢痛
2 神経腫
3 側弯症
4 断端浮腫
5 骨断端の過成長
解答
正解3(側弯症)
解説

片側上肢の先天性欠損では姿勢・筋の左右差から2次性に側弯症を生じやすく、切断特有の幻肢痛・神経腫・骨過成長は起こりにくい。

写真は先天性の右上肢欠損で、肘〜前腕近位で途絶する丸くなめらかな終末を示す(手術瘢痕なし=切断ではない)。切断端に特有の合併症である幻肢痛・神経腫・断端浮腫・骨断端の過成長は、切断神経端や切断そのものが存在しない先天性欠損では起こりにくい。一方、片側上肢の欠損では体幹・肩甲帯の筋発達や姿勢に左右差が生じ、成長と日常生活の中で2次性に側弯症をきたしやすい。したがって最もみられる2次性障害は側弯症である。

✗ 1. 誤り
幻肢痛
切断で失った四肢に感じる痛みで、先天性欠損では四肢の中枢神経表象がもともと乏しく起こりにくい。写真も瘢痕のない先天性の丸い終末で切断ではない
✗ 2. 誤り
神経腫
切断された神経端が瘤状に再生して生じる。先天性欠損では切断神経端がなく稀。写真上も腫瘤所見なし
✓ 3. 正しい
側弯症
片側上肢の先天性欠損では体幹・肩甲帯の筋バランスと姿勢に左右差が生じ、成長・日常動作の中で2次性に側弯をきたしやすい。写真は右上肢の片側性欠損を示し、この機序に合致する最もみられる2次性障害
✗ 4. 誤り
断端浮腫
切断直後の断端に生じやすい一過性の腫脹で、先天性欠損の長期経過での主要な2次性障害ではない。写真上も浮腫像なし
✗ 5. 誤り
骨断端の過成長
成長期の後天性切断で骨が軟部組織より伸長して生じる。先天性欠損では稀で、写真の終末も丸く骨突出なし
ポイント
  • 先天性欠損では幻肢痛・神経腫・過成長はまれ
  • 非対称姿勢の代償で側弯を生じやすい
  • 骨断端過成長は小児後天性切断の合併症
  • 断端浮腫は術後急性期の一過性所見
比較表
先天性欠損と後天性切断の合併症
合併症主にみられるのは
側弯症先天性上肢欠損(姿勢代償)
幻肢痛後天性切断
神経腫後天性切断
骨断端過成長小児の後天性切断
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