学習トップ理由で解く 作業療法士第11章 ▸ 実地 / QO60P002

理由で解く 作業療法士

QO60P002 作業療法評価学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午後 問2
問題
36歳の男性。手にバスケットボールが当たって受傷した。来院時の手指の写真(図A)と単純エックス線写真(図B)を図に示す。考えられるのはどれか。
図
選択肢
1 Bennett骨折
2 Heberden結節
3 槌指
4 ばね指
5 ボクサー骨折
解答
正解3(槌指)
解説

指先にボールが当たって末節が屈曲位となり伸展できず、爪下血腫や末節部腫脹を伴うのは槌指(マレット指)である。

バスケットボールが指先に当たり、伸展位のDIP(母指ではIP)関節が急激に屈曲を強制されたことで、末節骨背側に付着する伸筋腱終止部が剥離(腱性または末節骨背側の小骨片を伴う骨性)し、末節骨を自動伸展できなくなった「槌指(マレット変形)」である。写真Aでは末節部の著明な発赤・腫脹と爪下血腫・皮下出血を認め、遠位指節への直達外傷が示される。エックス線写真Bでは中手骨・基節骨・末節骨が写り、末節骨がDIP関節部で屈曲(下垂)位を呈しており、槌指に矛盾しない。Bennett骨折(第1中手骨基部)、ボクサー骨折(第5中手骨頸部)は損傷部位が図と一致せず、Heberden結節・ばね指は慢性・非外傷性の病態であり、受傷機転(急性・指先への打撃)と合致しない。

✗ 1. 誤り
Bennett骨折
第1中手骨基部の関節内骨折・脱臼で、通常は母指軸方向への外力で生じる。写真・X線は母指末節部の外傷であり、中手骨基部に骨折・脱臼を示す所見はない
✗ 2. 誤り
Heberden結節
DIP関節の変形性関節症による骨性結節で中高年に多い慢性変化。36歳の急性外傷であり、写真・X線に慢性変性所見はない
✓ 3. 正しい
槌指
指先にボールが当たりDIP(母指ではIP)関節が急激に屈曲を強制され、伸筋腱終止部が末節骨背側から剥離(腱性または骨性)して末節骨を伸展できなくなる病態。写真の末節部の腫脹・発赤・爪下血腫、X線の末節骨屈曲(下垂)位と一致する
✗ 4. 誤り
ばね指
屈筋腱腱鞘炎による弾発現象で、反復使用による慢性・非外傷性の病態。本症例の急性外傷所見と合わない
✗ 5. 誤り
ボクサー骨折
拳で殴った際に生じる第5中手骨頸部骨折。図は母指末節部を示しており第5中手骨は写っていない
ポイント
  • 槌指=DIP終止伸筋腱の断裂/裂離骨折
  • 受傷機転は伸展位DIPの強制屈曲(突き指)
  • DIPが自動伸展できず屈曲位を呈する
  • 治療は伸展位固定(スプリント)が基本
比較表
手の外傷・変形の鑑別
疾患特徴
槌指DIP終止伸筋腱断裂/裂離、DIP自動伸展不能
Bennett骨折第1中手骨基部の関節内骨折・脱臼
ボクサー骨折第5中手骨頸部骨折(殴打)
Heberden結節DIP関節のOAによる骨性隆起
ばね指屈筋腱の狭窄性腱鞘炎、弾発現象
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手