学習トップ理由で解く 作業療法士第11章 ▸ 実地 / QO60P001

理由で解く 作業療法士

QO60P001 作業療法評価学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午後 問1
問題
Danielsらの徒手筋力テストの段階5及び4の検査を図に示す。検査者が抵抗を加える位置で正しいのはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 肩甲骨挙上
2 肘屈曲
3 母指内転
4 股関節屈曲、外転、外旋と膝屈曲
5 股関節内転
解答
正解3(3)、4(4)
解説

MMTの抵抗は「運動と逆方向へ・被検筋が動かす分節の遠位端へ・余計な関節をまたがずに」加えるのが原則。図では抵抗を当てている体の部位を見れば正誤が分かる。

Danielsらの徒手筋力テストの段階5・4は、最大〜強い抵抗に抗して全可動域の肢位を保持できるかで判定するため、抵抗を当てる位置が運動ごとに決まっている。肩甲骨挙上では、検査者は後方から両肩の上面に肩の輪郭に沿って手を置き下方へ抵抗するが、図は上腕から抵抗を加えている。肘屈曲では前腕遠位(手関節より近位)に伸展方向の抵抗を加えるが、図は手掌から加えており、手関節をまたいでしまっている。母指内転では母指の基節骨の内側に手を当て、外側(外転)方向へ抵抗するのが正しく、図はこの位置を示している。股関節屈曲・外転・外旋と膝屈曲は縫工筋の検査で、片手を膝外側、もう一方の手を下腿内側に置いて抵抗するのが正しく、図もそのとおりである。股関節内転では大腿遠位部に抵抗を加えるが、図は下腿近位から加えており膝関節をまたいでいる。したがって抵抗位置が正しいのは3と4である。

✗ 1. 誤り
肩甲骨挙上
両肩の上面に輪郭に沿って置き下方へ抵抗するのが正しいが、図は上腕から加えている
✗ 2. 誤り
肘屈曲
抵抗は前腕遠位(手関節より近位)に加えるが、図は手掌から加えている
✓ 3. 正しい
母指内転
母指の基節骨の内側に当て外側方向へ抵抗する位置で、規定どおり正しい
✓ 4. 正しい
股関節屈曲、外転、外旋と膝屈曲
縫工筋の検査。片手を膝外側、もう一方の手を下腿内側に置く位置で正しい
✗ 5. 誤り
股関節内転
抵抗は大腿遠位部に加えるが、図は下腿近位からで膝関節をまたいでいる
ポイント
  • 段階5・4=重力に抗し用手抵抗を加える
  • 抵抗は運動分節の遠位端に加える
  • 抵抗方向は運動方向と反対(運動面に垂直)
  • 検査関節をまたぐ他関節に手を置かない
比較表
MMTの段階と検査肢位
段階判定基準
5 Normal重力に抗し全可動域+最大抵抗に耐える
4 Good重力に抗し全可動域+中等度抵抗に耐える
3 Fair重力に抗し全可動域運動が可能(抵抗なし)
2 Poor重力を除けば全可動域運動が可能
1 Trace筋収縮を触知するのみ
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