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理由で解く 作業療法士

QO60A011 作業療法評価学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午前 問11
問題
32歳の女性。右利き。運輸会社で10年間事務を担当している。1か月前に脳梗塞を発症したが、運動麻痺は認めないため退院し職場復帰した。与えられた仕事は意欲的に集中して行い、指示されたことを実行することはできていたが、上司からは自分で段取りを考えて行動ができないとの指摘を受けることが多くなった。この患者の高次脳機能障害の検査で最も優先されるのはどれか。
選択肢
1 BADS
2 BIT
3 CAS
4 CAT
5 RBMT
解答
正解1(BADS)
解説

「指示されたことはできるが、自分で段取りを考えて行動できない」は遂行機能障害の典型像。遂行機能を評価するBADSが最優先となる。

指示された課題は集中して遂行できる一方、目標設定・計画立案・段取り・状況判断といった自発的なマネジメントが破綻している。これは前頭葉を中心とする遂行(実行)機能障害の中核症状である。BADS(Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)は、規則変換・行動計画・時間見積もりなど日常に近い課題で遂行機能を多面的に評価でき、本症例で最優先となる。他の検査は評価対象が異なる。

✓ 1. 正しい
BADS
規則変換カードや鍵探しなどで計画・段取りを評価する遂行機能検査。本症例の「段取りが立てられない」に合致
✗ 2. 誤り
BIT
BIT(行動性無視検査):半側空間無視の評価。麻痺・無視を疑う所見がなく優先度は低い
✗ 3. 誤り
CAS
不安を測る心理尺度で、遂行機能の直接評価ではない
✗ 4. 誤り
CAT
CAT(標準注意検査法):注意機能の評価。指示課題は集中して遂行できており注意が主問題ではない
✗ 5. 誤り
RBMT
RBMT(リバーミード行動記憶検査):日常記憶の評価。記憶障害を示す情報がなく優先されない
ポイント
  • 段取り・計画が立てられない=遂行機能障害
  • 遂行機能の評価=BADS
  • 指示は遂行できる=注意・記憶は保たれている
比較表
主な高次脳機能検査と評価対象
検査評価対象
BADS遂行(実行)機能
BIT半側空間無視
CAT注意機能
RBMT日常記憶
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