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理由で解く 作業療法士

QO58P011 作業療法治療学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午後 問11
問題
28歳の女性。5年前の外傷性脳損傷による右片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢III、手指III。最近、右手指の屈曲拘縮が悪化し、手指衛生が困難となった。最も適切な装具はどれか。
選択肢
1 BFO
2 RICスプリント
3 ナックルベンダー
4 パンケーキ型装具
5 コックアップ・スプリント
解答
正解4(パンケーキ型装具)
解説

手指屈曲拘縮の矯正・進行予防と手掌の衛生確保には、手関節・手指全体を伸展位で保持する静的なパンケーキ型装具が最適である。

Brunnstrom上肢III・手指IIIは屈筋共同運動が優位な段階で、手指が強い屈曲位となり拘縮が進行しやすく、手掌が開けず清潔保持が困難になる。この課題に対しては、手関節から手指までを広く伸展位で保持し、屈曲拘縮を矯正・予防しながら手掌を露出させて衛生を保てる静的スプリントが適応となる。パンケーキ型装具(レスティングスプリントの一種)は前腕から手指までを面で支え伸展位に保持するため、拘縮対策と手指衛生の両目的に合致する。

✗ 1. 誤り
BFO
BFO(Balanced Forearm Orthosis):筋力低下例で前腕を吊り上げ水平面の上肢運動を補助する装置で、拘縮矯正の目的には合わない
✗ 2. 誤り
RICスプリント
頸髄損傷(C6~7)などで手関節背屈を利用したtenodesis把持を補助する動的装具で、拘縮矯正には用いない
✗ 3. 誤り
ナックルベンダー
MP関節に屈曲方向の力を加える動的スプリントで、MP伸展拘縮の改善に用いる。屈曲拘縮の矯正には逆効果
✓ 4. 正しい
パンケーキ型装具
手関節・手指を伸展位で面保持し、屈曲拘縮の矯正・予防と手掌の衛生確保に適する
✗ 5. 誤り
コックアップ・スプリント
手関節を背屈位に保持する装具で、橈骨神経麻痺(下垂手)などに用いる。手指の屈曲拘縮対策ではない
ポイント
  • 手指屈曲拘縮=伸展位保持の静的スプリント
  • パンケーキ型は手関節~手指を面で伸展保持
  • 手指衛生の確保が目的
比較表
上肢装具の目的
装具主な適応・目的
BFO筋力低下例の上肢運動補助
RICスプリント頸髄損傷のtenodesis把持補助
ナックルベンダーMP伸展拘縮に屈曲を促す
パンケーキ型装具手指屈曲拘縮の伸展位保持
コックアップ手関節背屈保持(下垂手)
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