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理由で解く 作業療法士

QO58P010 作業療法評価学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午後 問10
問題
42歳の男性。右利き。自営業。3年前に脳出血発症後、回復期リハビリテーション病院を経て自宅退院し復職したが、仕事中に再発した。初発時の頭部CT(図A)と再発時の頭部CT(図B)を図に示す。再発時の新たな症状として最も考えられるのはどれか。
図
選択肢
1 昏睡
2 構音障害
3 右同名半盲
4 回転性めまい
5 Gerstmann症候群
解答
正解2(構音障害)
解説

初発=左・再発=右の両側基底核出血により皮質延髄路が両側障害され、偽性球麻痺による構音障害が新たな症状となる。

頭部単純CT水平断。放射線科的表示で各画像の左端が患者右、右端が患者左。初発時A では患者左側の基底核(被殻)に高吸収(白色)の血腫を認める。再発時B では患者右側の基底核(被殻)に高吸収の血腫を認める。つまり初発は左、再発は右で、再発により両側の基底核が障害された状態になる。皮質延髄路(corticobulbar tract)は通常両側支配のため片側病変だけでは構音・嚥下障害は軽度・一過性にとどまるが、両側が障害されると偽性球麻痺となり持続的な構音障害を来す。したがって再発による新たな症状として最も考えられるのは構音障害である。一方、意識障害(昏睡)を来す脳幹圧迫・広範血腫はなく(1誤)、右同名半盲は左視放線・後頭葉病変で生じるため患者右側の基底核出血では説明できず(3誤)、回転性めまいは後頭蓋窩(脳幹・小脳・前庭系)病変によるもので幕上基底核出血では生じにくく(4誤)、Gerstmann症候群は優位半球(右利きでは左)頭頂葉・角回病変で生じるため非優位側(右)の再発とは合致しない(5誤)。

✗ 1. 誤り
昏睡
CTの血腫は基底核部に限局し、脳幹圧迫・正中偏位・脳ヘルニアなど昏睡を来す所見はない
✓ 2. 正しい
構音障害
初発A=患者左、再発B=患者右の基底核出血で両側性となり、皮質延髄路が両側障害され偽性球麻痺による構音障害を来す
✗ 3. 誤り
右同名半盲
右同名半盲は左視放線・左後頭葉障害で生じるが、再発Bの血腫は患者右側かつ基底核部で視放線を主座としない
✗ 4. 誤り
回転性めまい
回転性めまいは脳幹・小脳・前庭系(後頭蓋窩)病変で生じるが、両血腫とも幕上の基底核で後頭蓋窩病変はない
✗ 5. 誤り
Gerstmann症候群
優位半球(右利きでは左)頭頂葉・角回病変で生じるが、再発Bは非優位側(右)であり角回病変も示されない
ポイント
  • 被殻・内包周囲出血=運動麻痺・構音障害
  • CT比較で新規出血部位を特定し症状を推定
  • 半盲=後頭葉、めまい=小脳・脳幹、Gerstmann=優位角回
比較表
病変部位と主な症状
部位主な症状
被殻・内包周囲片麻痺・構音障害
後頭葉・視放線同名半盲
小脳・脳幹回転性めまい・失調
優位半球角回Gerstmann症候群
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