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理由で解く 作業療法士

QO58A017 作業療法治療学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午前 問17
問題
52歳の男性。アルコール依存症。警備会社に勤務。若いころから飲酒が習慣化していたが、最近、朝から酒を飲むようになった。同居する両親に対する暴力行為で警察の介入があり、2日後に入院した。入院後、振戦せん妄が出現し、5日目に消失した。落ち着きがみられるようになり、作業療法が処方された。この時期に優先すべき作業療法の目的はどれか。
選択肢
1 家族内での関係性を改善する。
2 基礎体力の回復・維持を行う。
3 ストレス対処技能を獲得する。
4 他者との協調的な活動を体験する。
5 職場復帰に向けた職業的技能を修得する。
解答
正解2(基礎体力の回復・維持を行う。)
解説

離脱(振戦せん妄)消失直後の解毒後早期。まずは低下した身体機能・体力の回復を図る時期で、心理社会的・職業的課題は体調が安定してから段階的に進める。

長年の飲酒と急性離脱(振戦せん妄)を経た直後の患者は、栄養障害や全身状態の悪化により体力が著しく低下している。振戦せん妄が消失し落ち着いたこの解毒後早期には、まず身体機能・基礎体力の回復と生活リズムの立て直しを優先し、無理のない活動で心身のコンディションを整えることが目的となる。ストレス対処技能の獲得や家族関係の調整、職業技能の習得、協調的活動といった心理社会的・社会復帰的な課題は依存症治療で重要ではあるが、いずれも体調が安定した回復期以降に段階的に取り組むべきもので、この時期の最優先ではない。

✗ 1. 誤り
家族内での関係性を改善する。
家族関係の改善は重要だが、体調安定後の回復期以降に扱う課題で優先度は低い
✓ 2. 正しい
基礎体力の回復・維持を行う。
離脱消失直後の解毒後早期は、低下した基礎体力の回復・維持が最優先
✗ 3. 誤り
ストレス対処技能を獲得する。
ストレス対処技能の獲得は再飲酒予防に重要だが、より安定した段階の課題
✗ 4. 誤り
他者との協調的な活動を体験する。
他者との協調的活動は集団療法で有用だが、まず体調回復が先で時期尚早
✗ 5. 誤り
職場復帰に向けた職業的技能を修得する。
職業技能の修得は社会復帰期の目標で、解毒後早期には優先されない
ポイント
  • 離脱(振戦せん妄)消失直後=解毒後早期
  • 早期はまず基礎体力・生活リズムの回復
  • 心理社会・職業的課題は安定後に段階的に
比較表
アルコール依存症の回復段階と作業療法目的
時期主な目的
解毒後早期(離脱消失直後)基礎体力・生活リズム回復
回復期ストレス対処・再発予防技能
社会復帰期対人・職業技能、家族調整
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