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理由で解く 作業療法士

QO58A018 作業療法治療学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午前 問18
問題
32歳の女性。統合失調症。1年前から小売店で週3日のパート勤務をしているが、最近、同僚から嫌がらせを受けているという被害的な訴えが増え、主治医の指示で週2日、精神科デイケアを利用することになった。この患者の治療目的に合ったプログラムとして適切なのはどれか。
選択肢
1 ACT
2 IPS
3 NEAR
4 SCIT
5 TEACCH
解答
正解4(SCIT)
解説

他者の意図を被害的に受け取る(社会認知の偏り)が問題。相手の感情・意図の読み取りや帰属バイアスの修正を狙うSCIT(社会認知ならびに対人関係のトレーニング)が適切。

本例は就労を継続できているが、同僚から嫌がらせを受けているという被害的な対人認知が増えており、これは統合失調症でみられる社会認知(相手の表情・意図の解釈、他者の行動を悪意に帰属させるバイアスなど)の障害を反映する。SCIT(Social Cognition and Interaction Training:社会認知ならびに対人関係のトレーニング)は、感情認知・心の理論・帰属様式の偏りを扱い、被害的解釈を検証・修正して対人関係を改善することを目的とするため、本例の治療目的に最も合致する。ACTは重症者への包括型地域生活支援、IPSは援助付き雇用、NEARは神経認知機能のリハビリテーション、TEACCHは自閉スペクトラム症への支援法で、被害的な社会認知の是正を主目的とはしない。

✗ 1. 誤り
ACT
重い精神障害者への多職種アウトリーチ型地域支援で、社会認知の訓練が目的ではない
✗ 2. 誤り
IPS
援助付き雇用による就労支援モデルで、被害的認知の修正が主目的ではない
✗ 3. 誤り
NEAR
記憶・注意など神経認知機能の認知リハビリで、社会認知に特化しない
✓ 4. 正しい
SCIT
感情認知・帰属バイアスなど社会認知を扱い、被害的解釈の修正に最も適する
✗ 5. 誤り
TEACCH
自閉スペクトラム症の構造化支援法で本例の病態・目的に合致しない
ポイント
  • 被害的な対人認知=社会認知の障害
  • SCITは感情認知・心の理論・帰属バイアスを扱う
  • NEARは神経認知、IPSは就労、ACTは地域支援と区別
比較表
精神科プログラムの目的
プログラム主目的
SCIT社会認知(感情・意図・帰属)の改善
NEAR神経認知機能の改善
IPS援助付き雇用(就労支援)
ACT重症者への包括的地域生活支援
TEACCH自閉スペクトラム症の構造化支援
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