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理由で解く 作業療法士

QO58A003 作業療法評価学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午前 問3
問題
30歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷で大学病院に入院。全身状態が安定したため、回復期リハビリテーション病院に転院となった。転院後もリハビリテーション治療が継続され、現在5か月が経過した。運動障害や感覚障害を認めず、歩行は自立している。しかし、日中はボーッとして過ごし、促されないと行動に移せない。会話は成立するが、自発性に乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。
選択肢
1 CBS
2 BADS
3 SLTA
4 SPTA
5 VPTA
解答
正解2(BADS)
解説

前頭葉背外側部損傷+自発性低下・発動性低下は遂行機能障害を示唆。評価にはBADS(遂行機能障害症候群の行動評価)が最適。

前頭前野背外側部は計画立案・目標指向的行動・発動性・ワーキングメモリを司り、損傷すると『促されないと動けない』『自発性の低下』『段取りが立てられない』といった遂行機能障害(dysexecutive syndrome)が生じる。本症例はまさにこの像であり、日常的・実際的な課題で遂行機能を評価するBADS(Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome)が最も適切。他の検査は失語・失行・視知覚・無視など評価対象が異なる。

✗ 1. 誤り
CBS
CBS(Catherine Bergego Scale):半側空間無視の日常生活評価で対象が異なる
✓ 2. 正しい
BADS
遂行機能障害を実生活に近い課題で評価する検査で本症例に最適
✗ 3. 誤り
SLTA
SLTA(標準失語症検査):失語症の評価で、本症例に失語の主訴はない
✗ 4. 誤り
SPTA
SPTA(標準高次動作性検査):失行の評価で、動作の障害像は問われていない
✗ 5. 誤り
VPTA
VPTA(標準高次視知覚検査):視覚失認など高次視知覚障害の評価で対象が異なる
ポイント
  • 前頭葉背外側部=遂行機能・発動性
  • 遂行機能障害の評価=BADS
  • 自発性低下・段取り困難がキーワード
比較表
主な高次脳機能検査と評価対象
検査評価対象
BADS遂行機能
CBS半側空間無視(生活場面)
SLTA失語症
SPTA高次動作(失行)
VPTA高次視知覚(視覚失認等)
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