学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 実地 / QO58A002

理由で解く 作業療法士

QO58A002 作業療法治療学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午前 問2
問題
80歳の女性。右変形性股関節症に対し人工股関節置換術(後方アプローチ)が施行された。現在、術後2週が経過し、患肢全荷重が許可されている。この患者に対するADL指導として最も適切なのはどれか。
選択肢
1 割り座で靴下をはく。
2 椅子座位で床の物を拾う。
3 床の上で体育座りをする。
4 椅子座位で右下肢を上にして足を組む。
5 階段を降りるときは右足を先に下ろす。
解答
正解5(階段を降りるときは右足を先に下ろす。)
解説

後方アプローチのTHA後脱臼肢位は『股関節の過屈曲・内転・内旋』。これらを避ける指導が正解で、階段降段は患側(右)から先に下ろすと患側股関節の過屈曲を避けられる。

後方アプローチによる人工股関節置換術では、後方の関節包・外旋筋群を切離するため、股関節屈曲+内転+内旋の複合肢位で後方脱臼を起こしやすい。したがってしゃがみ込み・低い椅子・割り座・足組み・体育座りなどの深い屈曲や内転内旋は禁忌。階段では『昇りは健側から、降りは患側から』が原則で、降段時に患側の右足を先に下ろせば、体重を支える健側(左)の屈曲負担が減り、患側股関節の過屈曲も避けられるため安全である。

✗ 1. 誤り
割り座で靴下をはく。
割り座は股関節の屈曲+内旋を強い、後方脱臼肢位で禁忌
✗ 2. 誤り
椅子座位で床の物を拾う。
前屈により股関節が過屈曲・内旋しやすく危険
✗ 3. 誤り
床の上で体育座りをする。
股関節の深い屈曲肢位で脱臼リスクが高い
✗ 4. 誤り
椅子座位で右下肢を上にして足を組む。
足組みは内転+内旋を強い、後方脱臼肢位で禁忌
✓ 5. 正しい
階段を降りるときは右足を先に下ろす。
降段は患側から下ろすのが原則で、患側股関節の過屈曲を避けられ安全
ポイント
  • 後方アプローチTHAの脱臼肢位=屈曲+内転+内旋
  • 階段は昇り健側先・降り患側先
  • 低い座面・しゃがみ込み・足組み・割り座は回避
比較表
THAアプローチ別の脱臼肢位
アプローチ脱臼方向禁忌肢位
後方(後側方)後方脱臼屈曲+内転+内旋
前方(前側方)前方脱臼伸展+外旋(+内転)
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