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理由で解く 作業療法士

QO57P036 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問36
問題
がんのリハビリテーションの緩和期の対応で正しいのはどれか。
選択肢
1 余命延長が目的である。
2 骨転移があれば安静臥床とする。
3 鎮痛薬は時刻を決めて規則的に使用する。
4 余命3か月未満と診断された後開始する。
5 PS(Performance Status)4では運動中止とする。
解答
正解3(鎮痛薬は時刻を決めて規則的に使用する。)
解説

緩和期リハの目的はQOLの維持・向上。がん疼痛管理は鎮痛薬を時刻を決めて規則的(by the clock)に投与するのが原則。

緩和期のがんリハビリテーションは余命延長ではなくQOLの維持・向上と苦痛の軽減を目的とする。WHOのがん疼痛治療原則では、痛みが出てから頓用するのではなく時刻を決めて規則的に鎮痛薬を投与し(by the clock)、血中濃度を保って疼痛を予防することが推奨されるため選択肢3が正しい。緩和ケアおよび緩和期のリハビリテーションは「余命3か月未満」と診断されてから始めるものではなく、がんと診断された時期から治療と並行して行われる。またPS(Performance Status)4は終日就床し身の回りのことがほとんどできない状態を指すが、この段階でも疼痛や呼吸困難などの症状緩和、ポジショニング、関節可動域運動、家族への介助方法の指導といった介入は続けられる。PSが4であることだけを理由に一律に運動・リハビリテーションを中止するのではなく、目的を機能改善から症状緩和・安楽の確保へ切り替えて内容と負荷を調整する。

✗ 1. 誤り
余命延長が目的である。
緩和期の目的はQOL維持・向上と苦痛緩和であり、余命延長そのものではない
✗ 2. 誤り
骨転移があれば安静臥床とする。
過度の安静は廃用を招く。骨折リスクを評価しつつ荷重・活動を調整する
✓ 3. 正しい
鎮痛薬は時刻を決めて規則的に使用する。
WHO方式のby the clockに合致し正しい
✗ 4. 誤り
余命3か月未満と診断された後開始する。
余命3か月未満を待って始めるものではない。緩和ケア・緩和期リハは診断時から治療と並行して行う
✗ 5. 誤り
PS(Performance Status)4では運動中止とする。
PS4(終日就床・身の回りのことがほとんどできない)でも、症状緩和やポジショニング、関節可動域運動などの介入は継続する。一律に中止とはしない
ポイント
  • 緩和期リハの目的はQOL維持・向上
  • がん疼痛はby the clock(規則的投与)が原則
  • 緩和ケア・緩和期リハは余命3か月未満を待たず診断時から並行
  • PS4でも症状緩和目的の介入は継続。過度の安静は避ける
比較表
がんリハビリテーションの病期と目的
病期主な目的
予防的治療前後の機能低下予防
回復的機能・能力の回復
維持的機能維持・廃用予防
緩和的QOL維持・向上、苦痛緩和
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