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理由で解く 作業療法士

QO57P035 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問35
問題
頸髄損傷完全麻痺(第4頸髄節まで機能残存)に使用しないのはどれか。
選択肢
1 万能カフ
2 電動車椅子
3 透明文字盤
4 環境制御装置
5 食事支援ロボット
解答
正解3(透明文字盤)
解説

第4頸髄節までの残存では上肢はほとんど動かないが、横隔膜が働くため発声・会話は保たれる。だから眼球運動で文字を指す透明文字盤は使わない。

第4頸髄節まで機能残存の完全麻痺では、残るのは僧帽筋による肩甲帯の挙上と、横隔膜(C3〜C5、主にC4)による呼吸で、肩関節から先の随意運動は失われADLは全介助となる。しかし呼吸と発声は保たれるため、言葉で意思を伝えることができる。透明文字盤は、発声ができず上肢も使えない人が眼球運動で文字を指し示して意思を伝えるための道具であり、会話が可能なこのレベルでは用いないため選択肢3が正解となる。電動車椅子は顎・頭部・呼気などのスイッチで操作でき、自力移動を実現する不可欠な機器である。環境制御装置も同じようなスイッチで照明・テレビ・ベッド・ナースコールなどを操作でき、生活の自立度を高める。食事支援ロボットは自力摂取が困難なこのレベルで、自分のペースで食事をするために用いられる。万能カフは手指で物を握れない頸髄損傷者がスプーンや歯ブラシを保持するための自助具で、上肢を支える装具や介助と組み合わせて使われるため「使用しない」とは言えない。

✗ 1. 正しい
万能カフ
手指で握れない者がスプーン等を保持する自助具。装具や介助と併用して使用する
✗ 2. 正しい
電動車椅子
顎・頭部・呼気などのスイッチで操作でき、移動手段として使用する
✓ 3. 誤り
透明文字盤
発声できない人が眼球運動で意思を伝える道具。会話が可能な本例では使用しない
✗ 4. 正しい
環境制御装置
同様のスイッチで照明やベッド、ナースコールを操作でき、生活の自立に使用する
✗ 5. 正しい
食事支援ロボット
自力摂取が困難な本例で、自分のペースで食事をするために使用する
ポイント
  • C6残存=手関節背屈可・tenodesisで把持可能
  • 発話・呼吸は正常
  • 透明文字盤は発話困難な高位頸損(C1〜C3等)向け
比較表
頸髄損傷レベルと機能・機器
残存レベル主な残存機能適応機器の例
C1〜C3呼吸器管理・発話困難透明文字盤・呼気/視線入力装置
C5肘屈曲・肩電動車椅子・BFO・環境制御装置
C6手関節背屈・tenodesis把持万能カフ・環境制御装置・食事支援ロボット
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