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理由で解く 作業療法士

QO57P016 作業療法評価学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問16
問題
21歳の男性。2か月前から「自分しか知らないはずのことを皆が知っている」と訴えるようになった。1か月前から自室にこもるようになり、一人きりで誰かに応答しているような様子がみられた。1週前から「変な味がする」と言い、母が作る食事を食べなくなった。家族が精神科の受診を勧めたが、本人は「自分はどこも悪くない」と言って頑なに拒んだ。この患者にみられない症状はどれか。
選択肢
1 観念奔逸
2 思考伝播
3 対話性幻聴
4 被毒妄想
5 病識欠如
解答
正解1(観念奔逸)
解説

本例は統合失調症の陽性症状(思考伝播・対話性幻聴・被毒妄想)と病識欠如を呈する。観念奔逸は躁状態の思考障害でこの患者にはみられない。

エピソードを分解すると、「自分しか知らないことを皆が知っている」は思考伝播(自分の考えが外に漏れ広がる体験)、「一人きりで誰かに応答している」は対話性幻聴(複数の声が話しかける・応答する)、「変な味がして食べない」は被毒妄想(毒を盛られるという妄想)、「自分はどこも悪くない」と受診を拒むのは病識欠如で、いずれも統合失調症に典型的である。一方、観念奔逸は次々と考えが湧き話題が飛ぶ思考の加速で、躁状態(双極性障害の躁病相)にみられる症状であり、本例の臨床像には該当しない。よって「みられない症状」は観念奔逸。

✓ 1. 誤り
観念奔逸
思考が加速し話題が次々飛ぶ躁状態の症状で、本例(統合失調症像)にはみられない(正=答え)
✗ 2. 正しい
思考伝播
考えが外に漏れ広がる自我障害で「皆が知っている」に合致(みられる)
✗ 3. 正しい
対話性幻聴
一人で誰かに応答する様子=複数の声との対話で合致(みられる)
✗ 4. 正しい
被毒妄想
「変な味がする」と食事を拒む点に合致(みられる)
✗ 5. 正しい
病識欠如
「どこも悪くない」と受診拒否=病識欠如(みられる)
ポイント
  • 思考伝播・対話性幻聴・被毒妄想は統合失調症の陽性症状
  • 病識欠如は統合失調症で高頻度
  • 観念奔逸は躁状態の思考障害
  • 『みられない症状』を問う否定形設問に注意
比較表
症状と主たる疾患
症状主にみられる病態
観念奔逸躁状態(双極性障害)
思考伝播統合失調症(自我障害)
対話性幻聴統合失調症
被毒妄想統合失調症
病識欠如統合失調症
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