学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 実地 / QO57P015

理由で解く 作業療法士

QO57P015 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問15
問題
24歳の女性。大学卒業後に事務職として勤務していたが、汚物が付着していないかと気になり、頻繁に手を洗い何度も確認するようになった。確認行為により仕事に支障をきたすようになり退職した。家族は本人の確認行為に応じていた。精神科を受診したところ強迫性障害と診断され、外来での作業療法が処方された。作業療法士から家族へのアドバイスとして最も適切なのはどれか。
選択肢
1 常に本人を監視するように伝える。
2 本人の再就職を促すように伝える。
3 家の中の消毒を徹底するように伝える。
4 病気の原因を本人と話し合うように伝える。
5 本人からの確認の要求に応じないように伝える。
解答
正解5(本人からの確認の要求に応じないように伝える。)
解説

強迫性障害では家族が確認・保証に応じる「巻き込まれ(family accommodation)」が症状を強化する。要求に応じないことが曝露反応妨害の原理に沿った適切な助言。

強迫性障害は、不安(強迫観念)を打ち消すための確認・洗浄などの強迫行為を繰り返す病態である。家族が本人の確認要求や保証を与え続けると(family accommodation=巻き込まれ)、一時的に不安は下がるが強迫行為が強化され症状は維持・悪化する。治療の中心である曝露反応妨害法(ERP)の原理に沿えば、家族は本人からの確認・保証の要求に応じないことで、不安に耐えて強迫行為を減らす学習を支援できる。監視・消毒徹底はかえって巻き込まれ・症状助長となり、再就職を急かすことや原因の追及は本人の負担・不安を高め不適切である。

✗ 1. 誤り
常に本人を監視するように伝える。
監視は本人の負担と不安を高め治療的でない
✗ 2. 誤り
本人の再就職を促すように伝える。
症状が続く段階で就労を急かすのは負担増で時期尚早
✗ 3. 誤り
家の中の消毒を徹底するように伝える。
汚染強迫を肯定・強化し巻き込まれを助長する
✗ 4. 誤り
病気の原因を本人と話し合うように伝える。
原因追及は不安を高めやすく治療の主眼でない
✓ 5. 正しい
本人からの確認の要求に応じないように伝える。
巻き込まれを断ち、曝露反応妨害の原理に沿う適切な助言
ポイント
  • 強迫性障害=強迫観念+強迫行為
  • 家族の巻き込まれ(accommodation)が症状を強化
  • 曝露反応妨害法(ERP)が治療の中心
  • 保証・確認要求に応じないことが支援になる
比較表
強迫性障害への家族対応
対応評価
確認要求に応じない適切(巻き込まれを断つ)
消毒の徹底不適切(強迫を強化)
監視不適切(不安を助長)
就労を急かす不適切(負担増)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手