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理由で解く 作業療法士

QO57P014 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問14
問題
43歳の女性。アルコール依存症。高校卒業後、就職。20代から職場での緊張感で晩酌をする習慣があった。40歳ころから酒量が増え、二日酔いのまま出勤するようになった。上司に勤務態度を注意されたことで無断欠勤が目立つようになり、最近、泥酔状態で保護されて精神科病院に入院となった。離脱症状が落ち着いた後、作業療法が処方された。この時点での作業療法評価で最も重要度が高いのはどれか。
選択肢
1 基礎体力
2 対人関係技能
3 断酒への意志
4 復職への意欲
5 問題解決能力
解答
正解1(基礎体力)
解説

離脱症状が落ち着いた直後は、長期の飲酒による低栄養・全身消耗で体力が低下している。まず活動に耐えられる基礎体力を評価し、安全に作業療法を進める土台を確認する。

長期のアルコール依存では慢性的な低栄養、肝障害、筋萎縮、全身消耗を伴い、離脱期を脱した直後は身体的コンディションが著しく低下していることが多い。この段階でまず必要なのは、作業療法プログラムの負荷に耐えられるかという基礎体力の把握であり、これを踏まえて活動量を設定しないと過負荷や事故につながる。対人技能・断酒意志・復職意欲・問題解決能力はいずれも回復期以降の重要課題だが、まずは身体的土台を評価するのが導入時点での優先度が最も高い。

✓ 1. 正しい
基礎体力
長期飲酒による低栄養・消耗で低下しており、プログラム負荷設定の土台として最優先で評価する
✗ 2. 誤り
対人関係技能
回復が進み集団活動に移行する段階で重要となる課題で、この時点の最優先ではない
✗ 3. 誤り
断酒への意志
動機づけは重要だが、離脱直後の身体評価より優先度は下がる
✗ 4. 誤り
復職への意欲
社会復帰準備期の課題であり導入時点では時期尚早
✗ 5. 誤り
問題解決能力
再飲酒予防など後の段階で扱う認知的課題で最優先ではない
ポイント
  • 離脱後は低栄養・消耗で体力低下
  • 導入時はまず身体的土台(基礎体力)を評価
  • 対人技能・断酒意志・復職は回復期以降の課題
  • 過負荷を避けるための活動量設定が目的
比較表
アルコール依存症リハの段階と主眼
時期主眼
離脱期身体管理・安全確保
離脱直後(導入)基礎体力・全身状態の評価
回復期対人技能・断酒動機・生活技能
社会復帰期復職・再飲酒予防
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