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理由で解く 作業療法士

QO57P013 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問13
問題
50歳の女性。脳出血後の左片麻痺。発症後2か月経過し、Brunnstrom法ステージ上肢Ⅴ、手指Ⅴであった。図の作業活動のうち、この患者が困難なのはどれか。
図
選択肢
1 革細工
2 陶芸
3 マクラメ
4 木工
5 和紙ちぎり絵
解答
正解3(3)
解説

Brunnstrom法ステージ上肢Ⅴ・手指Ⅴでも、両腕を挙上したまま両手で紐に張力をかけ結び続けるマクラメは困難となる。

Brunnstrom法ステージⅤ(上肢・手指)は分離運動がかなり可能な段階だが、持続的な把持力や、挙上位を保ったままの両手の巧緻的な協調はまだ不十分である。図の革細工は、健側で刻印具や筆を扱い、患側は革や台を押さえる固定役に回せる。陶芸は両手で粘土をこねる粗大な全手把握が主体で、細かいつまみや持続的な張力を要さない。木工も健側で刷毛などの道具を操作し、患側は木箱を押さえていればよい。和紙ちぎり絵は机上で和紙をちぎる粗大な両手動作で、患側も無理なく参加できる。これに対しマクラメは、箱に腰掛けて両腕を挙上し、上から吊るした紐に持続的な張力をかけながら、両手で同時に細かい結び目を作り続ける必要がある。患側手を単なる固定役に回せず、挙上位の保持・持続的な把持・指の巧緻動作を同時に要求される。したがって、この患者が最も困難なのはマクラメである。

✗ 1. 誤り
革細工
健側で刻印具などの道具を扱い、患側は革を押さえる固定役に回せるため実施できる
✗ 2. 誤り
陶芸
両手で粘土をこねる粗大な全手把握が主体。細かいつまみを要さず患側も参加できる
✓ 3. 正しい
マクラメ
両腕を挙上したまま吊るした紐に張力をかけ両手で結び続ける。患側を固定役にできず最も困難
✗ 4. 誤り
木工
健側で刷毛などの道具を操作し、患側は木箱を押さえる固定役でよいため実施できる
✗ 5. 誤り
和紙ちぎり絵
机上で和紙をちぎる粗大な両手動作で、持続的な張力も高い巧緻性も要さない
ポイント
  • 上肢・手指stage V=分離運動が広く可能
  • 球握り・円柱握り・側方つまみは可能な段階
  • 最も高度な巧緻・精密協調動作が相対的に困難
  • 残存麻痺により微細な対立運動は制限される
比較表
Brunnstrom法ステージ(上肢・手指)の到達度
stage上肢/手指の状態
III共同運動が随意的に出現(連合反応・痙縮強い)
IV共同運動から分離した運動が一部可能
V共同運動から独立した分離運動・各種把持が可能
VIほぼ正常に近い分離・巧緻運動
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