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理由で解く 作業療法士

QO56P019 作業療法治療学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午後 問19
問題
8歳の男児。幼児期より落ち着きがなくじっとしていられず、家族で外出した際にはよく迷子になり、両親も養育に困難を感じていた。小学校に入学してからは、授業中に勝手に席を立って歩き出したり、順番を守ることも難しく、日常的に忘れ物や落とし物も多く、うっかりミスをして教師に注意されるが、その後も同じミスを繰り返していた。授業中は周囲の雑音に注意を削がれて勉強に集中できず、最近では学業不振が目立ち始めたため放課後等デイサービスで作業療法士が対応することになった。作業療法士の対応として適切でないのはどれか。
選択肢
1 感覚統合療法を実施する。
2 ペアレントトレーニングを実施する。
3 社会生活技能訓練〈SST〉を実施する。
4 学校を訪問して授業の様子を観察する。
5 担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する。
解答
正解5(担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する。)
解説

多動・不注意・衝動性を示すADHD児。本人の意思や叱責で修正できる問題ではなく、『教員に行動修正をより促すよう依頼する』のは不適切。環境調整・支援が原則。

本例は多動・衝動性・不注意を呈するADHDで、症状は本人の努力不足ではなく脳機能の特性に基づく。したがって『担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する』のは、叱責・注意の増加につながり自己肯定感を下げ二次障害を招くため適切でない。適切な支援は、環境調整と特性に合わせた関わりであり、感覚統合療法(感覚調整・注意の基盤づくり)、ペアレントトレーニング(親の対応スキル向上と適切な行動の強化)、SST(対人技能の学習)、学校訪問による実際場面の観察と環境調整の助言はいずれも妥当である。

✗ 1. 正しい
感覚統合療法を実施する。
感覚調整や注意の基盤づくりに有効で適切(適切)
✗ 2. 正しい
ペアレントトレーニングを実施する。
親が適切な対応・行動強化を学びADHD支援の柱となる(適切)
✗ 3. 正しい
社会生活技能訓練〈SST〉を実施する。
順番を守る等の対人・行動スキル学習に有効(適切)
✗ 4. 正しい
学校を訪問して授業の様子を観察する。
実場面の評価と環境調整の助言に有用(適切)
✓ 5. 誤り
担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する。
叱責増加で自己肯定感低下・二次障害を招き不適切(正/適切でない)
ポイント
  • ADHD支援は環境調整と適切行動の強化が基本
  • 叱責・行動修正の強要は二次障害を招く
  • ペアレントトレーニング・SST・感覚統合が有効
比較表
ADHD児への支援の考え方
方針内容
環境調整刺激を減らし集中しやすい設定
行動支援適切行動の強化(叱責でなく)
家族支援ペアレントトレーニング
不適切本人の努力・叱責による修正の強要
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