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理由で解く 作業療法士

QO56P009 作業療法治療学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午後 問9
問題
58歳の男性。脊髄小脳変性症。脊髄小脳変性症の重症度分類(厚生省、1992)の下肢機能障害III度、上肢機能障害II度である。脱衣所と洗い場の段差はなく、浴槽は据え置き式で、高さは50cmであった。住環境整備について誤っているのはどれか。
選択肢
1 ベッド(A)を(A′)に移動する。
2 開き戸Bを外開きから内開きに変更する。
3 浴槽内のCの位置に浴槽台を設置する。
4 洗い場の壁Dに横手すりを設置する。
5 浴槽のEの位置にバスボードを設置する。
解答
正解2(開き戸Bを外開きから内開きに変更する。)
解説

運動失調のある患者では転倒リスクを下げる環境調整が原則。トイレ・浴室の扉を内開きにすると、中で転倒した際に扉が開けられず救助が困難になるため『内開きへの変更』は誤り。

脊髄小脳変性症では小脳性運動失調により立位・歩行が不安定で、下肢III度は歩行に介助・支持を要する段階である。住環境整備は支持面・手すりの確保、立ち座りやまたぎ動作の負担軽減、転倒時の安全確保が目的となる。浴槽台やバスボードは高い浴槽のまたぎ・立ち座りを助け、横手すりは移動時の支持となり適切。しかし扉を外開きから内開きに変更すると、狭い浴室・トイレ内で人が倒れた場合に扉が身体に当たって開かず、外からの救助ができなくなる。したがって『内開きに変更する』が誤りである(安全上は外開きまたは引き戸が望ましい)。

✗ 1. 正しい
ベッド(A)を(A′)に移動する。
動線・介助スペース確保のための配置変更で適切(正しい対応)
✓ 2. 誤り
開き戸Bを外開きから内開きに変更する。
内で転倒すると扉が開けられず救助困難。安全上不適切で本問の『誤り』(正解=誤っている選択肢)
✗ 3. 正しい
浴槽内のCの位置に浴槽台を設置する。
深い浴槽内で座面を上げ立ち座り・沈み込みを軽減し適切(正しい対応)
✗ 4. 正しい
洗い場の壁Dに横手すりを設置する。
移動・立位保持の支持となり転倒予防に適切(正しい対応)
✗ 5. 正しい
浴槽のEの位置にバスボードを設置する。
高い浴槽(50cm)のまたぎ越えを座って行え安全。適切(正しい対応)
ポイント
  • 浴室・トイレの扉は引き戸か外開き(内開きは救助困難)
  • またぎ・立ち座りは浴槽台・バスボードで軽減
  • 運動失調では支持(手すり)と転倒時安全確保が要
比較表
扉形式と安全性
扉形式浴室・トイレでの適否
引き戸最も安全(開閉に動作負担少・救助容易)
外開き内部転倒時も外から開けられ可
内開き内部転倒時に開かず救助困難で不適
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