学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 一般 / QO56A045

理由で解く 作業療法士

QO56A045 作業療法治療学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午前 問45
問題
境界性パーソナリティ障害患者の作業療法について正しいのはどれか。
選択肢
1 退行を許容する。
2 逸脱行動は静観する。
3 自力で達成できるような作業を行わせる。
4 作業より面談などの言語的な関わりを中心とする。
5 取り決め事項の変更について患者の要求のまま応じる。
解答
正解3(自力で達成できるような作業を行わせる。)
解説

境界性パーソナリティ障害では、自力で達成できる作業を通じた成功体験で自己評価を高める。退行・逸脱の許容や枠組みの安易な変更は病理を助長するため避ける。

境界性パーソナリティ障害は、見捨てられ不安、対人関係の不安定さ、感情調節の困難、衝動性を特徴とする。治療的枠組み(取り決め)を一貫して保つことが重要で、退行や逸脱行動を許容したり、患者の要求のままに約束を変えたりすると、操作的言動や試し行為を強めて治療関係が不安定になる。作業療法では、自力で完結でき達成感が得られる具体的作業を用いることで成功体験を積ませ、不安定な自己評価を安定させ現実的な自己認識を促す。言語的関わりに偏るより、作業という具体物を介した関与が感情の言語化と距離の調整に役立つ。よって正しいのは自力で達成できる作業を行わせることである。

✗ 1. 誤り
退行を許容する。
退行を許すと依存・不安定さを強めるため許容しない
✗ 2. 誤り
逸脱行動は静観する。
逸脱・逸脱的な試し行為は静観せず一貫した枠組みで対応する
✓ 3. 正しい
自力で達成できるような作業を行わせる。
成功体験で自己評価を高め、現実的自己認識を促す
✗ 4. 誤り
作業より面談などの言語的な関わりを中心とする。
具体的作業を介した関与が距離調整に有用で、言語偏重は適さない
✗ 5. 誤り
取り決め事項の変更について患者の要求のまま応じる。
枠組みの一貫性が治療の基盤で、要求に流されるのは操作を助長
ポイント
  • 治療的枠組み(取り決め)の一貫性を保つ
  • 自力で完結できる作業で成功体験→自己評価の安定
  • 退行・逸脱の許容や約束の安易な変更は病理を助長
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