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理由で解く 作業療法士

QO55P045 作業療法治療学

出典:第55回作業療法士国家試験(2020)午後 問45
問題
うつ病の治療で正しいのはどれか。
選択肢
1 電気けいれん療法は自殺の危険度が低いときに行う治療である。
2 回復を早めるため、気晴らしに旅行に出かけることを積極的に促す。
3 抗うつ薬使用開始後、数日経っても効果が出なければ速やかに薬剤を変更する。
4 患者の負担を減らすため、人生における重大な決定は速やかに行うよう指導する。
5 自殺予防のため、希死念慮の確認は急性期だけでなく回復期にも行う必要がある。
解答
正解5(自殺予防のため、希死念慮の確認は急性期だけでなく回復期にも行う必要がある。)
解説

うつ病では回復期にも自殺リスクが残る(むしろ高まりうる)ため、希死念慮の確認は急性期に限らず継続的に行う。

うつ病治療の原則は、休養・薬物療法・支持的関わりを軸に、患者の負担を増やさないことにある。重要な臨床的知見として、症状のどん底(極期)よりも、治療で活動性・意欲がやや回復し始めた回復期に自殺企図が実行されやすいことが知られる。したがって希死念慮の確認は急性期だけでなく回復期にも継続する必要がある。抗うつ薬は効果発現に通常2〜4週間を要するため数日での変更は不適切であり、電気けいれん療法(ECT)はむしろ自殺の危険が高く緊急を要する重症例に適応となる。また回復までは旅行などの大きな環境変化や、退職・離婚といった重大な決定は先送りするよう助言するのが原則である。作業療法士は活動を通じて回復状態を観察しつつ、自殺リスクの変化に注意を払う。

✗ 1. 誤り
電気けいれん療法は自殺の危険度が低いときに行う治療である。
ECTは薬物抵抗性や自殺の危険が高く緊急性のある重症例に適応する治療で、記述は逆
✗ 2. 誤り
回復を早めるため、気晴らしに旅行に出かけることを積極的に促す。
大きな環境変化はかえって負担となり回復を妨げるため、急がず休養を優先する
✗ 3. 誤り
抗うつ薬使用開始後、数日経っても効果が出なければ速やかに薬剤を変更する。
抗うつ薬は効果発現に2〜4週間かかり、数日での判断・変更は不適切
✗ 4. 誤り
患者の負担を減らすため、人生における重大な決定は速やかに行うよう指導する。
重要な決定は判断力が回復するまで先延ばしにするのが原則
✓ 5. 正しい
自殺予防のため、希死念慮の確認は急性期だけでなく回復期にも行う必要がある。
回復期に自殺リスクが高まりうるため確認の継続が必要で、正しい
ポイント
  • 回復期にも自殺リスク→希死念慮の確認を継続
  • 抗うつ薬の効果発現は2〜4週間
  • 重大な決定・環境変化は先送り
  • ECTは重症・緊急例に適応
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