学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 一般 / QO55P041

理由で解く 作業療法士

QO55P041 作業療法治療学

出典:第55回作業療法士国家試験(2020)午後 問41
問題
向精神薬内服中の精神疾患患者に錐体外路症状、無月経、体重増加、起立性低血圧が同時にみられた。最も疑われる原因薬剤はどれか。
選択肢
1 抗酒薬
2 抗うつ薬
3 抗不安薬
4 抗精神病薬
5 抗てんかん薬
解答
正解4(抗精神病薬)
解説

錐体外路症状・無月経・体重増加・起立性低血圧の併存は、抗精神病薬の受容体遮断作用(D2・α1・H1)で一元的に説明できる。

定型・非定型を問わず抗精神病薬は複数の受容体を遮断し、それぞれが特徴的な副作用を生む。中脳皮質・黒質線条体系のドパミンD2受容体遮断はパーキンソニズムやアカシジアなどの錐体外路症状を、下垂体前葉(漏斗下垂体系)のD2遮断はプロラクチン上昇による無月経・乳汁分泌を引き起こす。ヒスタミンH1受容体遮断は食欲亢進・鎮静から体重増加を、末梢のα1アドレナリン受容体遮断は血管拡張による起立性低血圧をもたらす。これら4徴が同時に揃うのは抗精神病薬に特徴的であり、作業療法士も服薬に伴うふらつき(転倒)や活動性低下のリスク管理として把握すべき所見である。

✗ 1. 誤り
抗酒薬
ジスルフィラム等はアルデヒド脱水素酵素を阻害し飲酒時に不快反応を起こす薬で、錐体外路症状や高プロラクチン血症は来さない
✗ 2. 誤り
抗うつ薬
SSRI等は消化器症状や賦活症候群が主で、無月経を伴う錐体外路4徴の同時出現は典型的でない
✗ 3. 誤り
抗不安薬
ベンゾジアゼピン系は鎮静・ふらつき・依存が主で、無月経や体重増加、錐体外路症状の組合せは説明できない
✓ 4. 正しい
抗精神病薬
D2遮断で錐体外路症状と高プロラクチン血症(無月経)、H1遮断で体重増加、α1遮断で起立性低血圧が生じ、4徴を一元的に説明できる
✗ 5. 誤り
抗てんかん薬
眠気・肝機能障害・皮疹などが主で、この4徴の同時出現は特徴的でない
ポイント
  • D2遮断→錐体外路症状+高プロラクチン血症(無月経)
  • H1遮断→体重増加
  • α1遮断→起立性低血圧・転倒リスク
比較表
抗精神病薬の受容体遮断と副作用
遮断受容体主な副作用
ドパミンD2(線条体)錐体外路症状(パーキンソニズム・アカシジア)
ドパミンD2(下垂体)高プロラクチン血症→無月経・乳汁分泌
ヒスタミンH1鎮静・食欲亢進→体重増加
アドレナリンα1起立性低血圧・めまい
アセチルコリンM1口渇・便秘・排尿障害
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手