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理由で解く 作業療法士

QO55P006 作業療法評価学

出典:第55回作業療法士国家試験(2020)午後 問6
問題
Duchenne型筋ジストロフィーの患者が床から立ち上がる様子を図に示す。厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類によるステージはどれか。
図
選択肢
1 ステージ2
2 ステージ4
3 ステージ5
4 ステージ6
5 ステージ8
解答
正解1(ステージ2)
解説

登攀性起立(Gowers徴候)が「可能」なのは機能障害度ステージ2〜3まで。ステージ4は歩行はできても椅子から立ち上がれず、それより難しい床からの登攀性起立はできない、という起立能力の境界で2と4を区別する。

図は、両手を床につき殿部を高く上げた逆V字姿勢から、手で自分の大腿を押さえてよじ登るように体を起こす一連の動作で、Duchenne型筋ジストロフィーに特徴的な登攀性起立(Gowers徴候)である。これは腰帯筋・下肢近位筋の筋力低下を反映するが、患者自身が床から立ち上がり歩行できる比較的早期の段階で出現する。厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類では、登攀性起立が可能なのはステージ2〜3であり、階段昇降に介助(手すり・膝おさえ)を要するステージ2に相当する。歩行不能となるステージ5(四つ這い可能)・6(いざり移動のみ)・8(寝たきり全介助)は、起立・歩行が成立している図と矛盾し除外できる。ステージ4は「歩行は可能だが椅子からの立ち上がりが不能」と定義され、椅子より難しい床からの起立が成立している図とは合わないため誤り。したがって正答はステージ2。

✓ 1. 正しい
ステージ2
ステージ2(階段昇降に手すり・膝おさえなどの介助を要する段階):歩行と床からの起立が保たれ、登攀性起立が可能なのはステージ2〜3。手で自分の大腿をよじ登って床から立ち上がる図に合致
✗ 2. 誤り
ステージ4
ステージ4(歩行は可能だが椅子からの立ち上がりが不能な段階):椅子より難度の高い床からの起立ができている図と矛盾し、登攀性起立が可能な段階を過ぎている
✗ 3. 誤り
ステージ5
ステージ5(歩行不能・四つ這い可能):図では起立・歩行が保たれており、非歩行段階には該当しない
✗ 4. 誤り
ステージ6
ステージ6(四つ這い不能・いざり移動のみ可能):さらに重度で歩行不能。起立できている図と矛盾
✗ 5. 誤り
ステージ8
ステージ8(寝たきり・体動不能で全介助):最重度で起立不能。図と完全に矛盾
ポイント
  • 登攀性起立(Gowers徴候)=下肢近位筋力低下の初期徴候
  • 床から自力起立・歩行可能=機能障害度分類の早期(ステージ2)
  • 進行順:階段昇降不能→歩行不能→四つ這い→いざり→座位不能→臥床
比較表
厚生省筋萎縮症研究班 機能障害度分類(概要)
ステージ機能の目安
1階段昇降可能(手の介助なし)
2階段昇降可能(手すり・膝に手をつく)
3椅子からの起立が可能
4歩行可能だが階段昇降不能
5起立歩行不能、四つ這い可能
6四つ這い不能、いざり移動可能
7いざり不能、座位保持可能
8座位保持不能、常時臥床
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