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理由で解く 作業療法士

QO55P007 作業療法治療学

出典:第55回作業療法士国家試験(2020)午後 問7
問題
42歳の女性。多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺。筋力低下が進行し、移動には車椅子を使用している。MMTは上肢近位部で段階3、遠位部で段階4。有痛性けいれんがある。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
選択肢
1 ビーズで指輪を作る。
2 木工作業で本棚を作る。
3 卓上編み機でマフラーを編む。
4 小さな刻印で革に模様をつける。
5 ネット手芸でティッシュボックスを作る。
解答
正解3(卓上編み機でマフラーを編む。)
解説

両側視神経炎による視力低下と上肢近位筋力低下(MMT3)・易疲労性に配慮する。視覚要求が少なく座位で軽負荷の卓上編み機が適切。

多発性硬化症では症状の組合せに応じて活動を選ぶ。本例は(1)両側視神経炎による視力低下、(2)上肢近位部MMT3・遠位部MMT4の筋力低下、(3)有痛性けいれん、(4)MSに特徴的な易疲労性(Uhthoff現象:体温上昇で症状悪化)がある。したがって、細かい視覚的注視を要する作業(ビーズの指輪・小さな刻印・網目の細かいネット手芸)は視力低下のため不適切。上肢を挙上し強い力を要する木工での本棚製作は近位筋力低下(MMT3)や疲労の点で不適切。卓上編み機でマフラーを編む作業は、座位で行え、視覚的な細かさの要求が少なく、上肢近位への負荷も小さいため、本例の能力に見合い適切である。過用・過負荷を避け、疲労と体温上昇に配慮する視点が重要。

✗ 1. 誤り
ビーズで指輪を作る。
小さなビーズの選別・通しに細かい視覚と巧緻性を要し、視神経炎による視力低下に不適切
✗ 2. 誤り
木工作業で本棚を作る。
上肢挙上や強い筋力を要し、近位部MMT3の筋力低下と易疲労性に負担が大きく不適切
✓ 3. 正しい
卓上編み機でマフラーを編む。
座位で行え視覚的細かさの要求が少なく、上肢近位への負荷も小さいため本例に適切
✗ 4. 誤り
小さな刻印で革に模様をつける。
細かい注視と正確な手指操作を要し、視力低下に不適切
✗ 5. 誤り
ネット手芸でティッシュボックスを作る。
網目を見て針を通す視覚的要求が高く、視力低下に不適切
ポイント
  • MSでは視力低下・近位筋力低下・易疲労性に配慮して活動を選ぶ
  • 細かい視覚要求の作業は視神経炎に不適
  • 上肢挙上・強負荷の作業は近位筋力低下(MMT3)に不適
  • Uhthoff現象(体温上昇で悪化)を避け過負荷を防ぐ
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