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理由で解く 作業療法士

QO55P008 作業療法治療学

出典:第55回作業療法士国家試験(2020)午後 問8
問題
58歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージIV、クラス3。左手の写真を図に示す。使用する装具で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 ナックルベンダー
2 Oppenheimer型装具
3 IP関節伸展補助指装具
4 タウメル継手式手関節装具
5 PEライト製手関節軟性装具
解答
正解5(PEライト製手関節軟性装具)
解説

ステージIV・クラス3の高度に破壊・変形したRA手には、矯正用動的装具ではなく保護・支持目的の軟性装具(PEライト製手関節軟性装具)が適応となる。

写真は緑色の台上に置かれた左手で、母指の立ち上がりや手指MP・IP関節の屈曲変形、手関節部の腫脹様膨隆など、慢性関節破壊(関節リウマチ進行例)に矛盾しない高度変形を示す。SteinbrockerステージIVは関節の強直(骨性・線維性)、クラス3は高度な機能障害を意味し、写真の固定的変形もこれと整合する。関節破壊が進行し変形が固定した段階では、拘縮を矯正する動的スプリント(ナックルベンダー、IP関節伸展補助装具)は適応に乏しく、下垂手用のOppenheimer型は病態が異なり、硬性継手装具(タウメル継手式)は保護目的には過剰である。したがって、変形した手関節を軟性材料で包んで保護・支持し、疼痛と負荷を軽減するPEライト製手関節軟性装具が適切である。

✗ 1. 誤り
ナックルベンダー
MP関節伸展拘縮を屈曲方向へ矯正する動的スプリント。写真の手はステージIVで関節破壊・変形が固定的であり矯正適応に乏しく不適
✗ 2. 誤り
Oppenheimer型装具
橈骨神経麻痺による下垂手に対し手関節・手指伸展を補助する装具。本例はRAであり神経麻痺の所見ではないため不適
✗ 3. 誤り
IP関節伸展補助指装具
スワンネック等でIP関節伸展を動的に補助する指装具。写真のような固定的変形・強直進行例では矯正の適応に乏しく不適
✗ 4. 誤り
タウメル継手式手関節装具
可動継手付きの硬性手関節装具。進行例の疼痛保護目的にはやや過剰で、写真が示す高度破壊手への第一選択とはならない
✓ 5. 正しい
PEライト製手関節軟性装具
軽量な軟性材料で手関節を包み保護・支持し、疼痛と関節への負荷を軽減する。写真が示すステージIV・クラス3の高度変形・破壊手に適切
ポイント
  • SteinbrockerステージIV=高度破壊・変形の末期
  • 末期RAの装具目的は矯正でなく保護・除痛・機能温存
  • 軟性(ソフト)装具が適切、剛性の矯正装具は破壊・疼痛を助長
  • ナックルベンダー/Oppenheimerは弛緩性麻痺の運動補助用
比較表
Steinbrocker病期(ステージ)分類の概要
ステージ関節の状態
I(早期)X線上の破壊なし、骨粗鬆はあり得る
II(中等)軟骨下骨破壊、関節裂隙狭小化、変形なし
III(高度)軟骨・骨破壊が進み変形あり、強直なし
IV(末期)線維性・骨性強直、高度な破壊・変形
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