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理由で解く 作業療法士

QO54A029 作業療法評価学

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午前 問29
問題
小脳の機能不全による協調運動障害の説明で誤っているのはどれか。
選択肢
1 大文字症:文字が徐々に大きくなる。
2 企図振戦:目標に近づくほど四肢の振戦が激しくなる。
3 運動分解:拮抗する運動の切り替えが円滑に行えない。
4 時間測定障害:運動の開始や停止が正常よりも遅れてしまう。
5 協調収縮不能:一連の動作で運動の順番や滑らかさが障害される。
解答
正解3(運動分解:拮抗する運動の切り替えが円滑に行えない。)
解説

「拮抗する運動の切り替えが円滑に行えない」のは反復拮抗運動不能(dysdiadochokinesis)の説明。運動分解(decomposition)は本来一連の運動が分割されて行われる現象で、記述が誤り。

小脳障害では協調運動の各要素が障害される。運動分解(decomposition of movement)は、滑らかに連続すべき運動が分割・断続的に行われる現象を指す。選択肢3が述べる「拮抗する運動の切り替えが円滑に行えない」のは反復拮抗運動不能(変換運動障害)の説明であり、運動分解の定義とは異なるため誤り。他の用語の説明は妥当である。

✗ 1. 正しい
大文字症:文字が徐々に大きくなる。
小脳性では書字が次第に大きくなる(大字症)とされ、説明として妥当(正しい記述)
✗ 2. 正しい
企図振戦:目標に近づくほど四肢の振戦が激しくなる。
目標に近づくほど振戦が増強するのは小脳性振戦の典型で妥当(正しい記述)
✓ 3. 誤り
運動分解:拮抗する運動の切り替えが円滑に行えない。
本文の「拮抗運動の切り替えが円滑にできない」は反復拮抗運動不能の説明で、運動分解の定義(連続運動が分割される)と異なり誤り(誤り=正解)
✗ 4. 正しい
時間測定障害:運動の開始や停止が正常よりも遅れてしまう。
運動の開始・停止のタイミングが遅れる現象の説明で妥当(正しい記述)
✗ 5. 正しい
協調収縮不能:一連の動作で運動の順番や滑らかさが障害される。
協調収縮不能(asynergia):一連の動作の順序・滑らかさが障害される説明で妥当(正しい記述)
ポイント
  • 運動分解=連続すべき運動が分割・断続する現象
  • 拮抗運動の切り替え障害=反復拮抗運動不能(dysdiadochokinesis)
  • 企図振戦・測定障害・協調収縮不能はいずれも小脳徴候
比較表
小脳性協調運動障害の用語
用語内容
運動分解連続運動が分割・断続的になる
反復拮抗運動不能拮抗運動の素早い切り替えができない
企図振戦目標に近づくほど増強する振戦
測定障害運動の距離・タイミングを誤る
協調収縮不能一連動作の順序・滑らかさの障害
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