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理由で解く 作業療法士

QO54A010 作業療法治療学

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午前 問10
問題
68歳の女性。発症後2か月の脳卒中右片麻痺患者。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅳ。上肢の伸筋群に随意的な関節運動が認められるようになった。肘伸展を誘発するための作業療法で適切でないのはどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
解答
正解2(2)
解説

肘伸展の誘発には前方への「リーチ・押し出し」や上肢荷重(1・3・4・5)が有効で、肋木で体を引き上げる屈曲主体の課題(2)は不適切。

本問はBrunnstromステージⅣで伸筋群に随意運動が出始めた右片麻痺患者に対し、肘伸展を誘発する作業療法として「適切でない」ものを選ぶ。画像1・3・4はいずれも上肢を前方へ伸ばす/押し出すリーチ動作で、肘伸展筋を働かせる。画像5は前傾位で両手を台につき上肢に体重をかける閉鎖運動連鎖の荷重で、これも肘伸展を促す。これに対し画像2は、肩より高い位置の肋木に手をかけて体を上方へ引き上げる動作であり、肘は屈曲(引く動作)が主体となる。ステージⅣの患者ではまだ屈筋共同運動の影響が残るため、引き上げ課題は肘屈曲・屈筋共同運動を助長しやすく、肘伸展の誘発には適さない。よって適切でないのは2。

✗ 1. 正しい
1
背臥位で挙上した上肢を前方(水平)へ伸ばして吊りボールへ届かせる。前方リーチは肘伸展を引き出すので誘発課題として適切
✓ 2. 誤り
2
低い台に座り、肩より高い位置の肋木に手をかけて体を上方へ持ち上げる。手を固定して体を近づける=肘屈曲(引く動作)であり、肘伸展は誘発されず、むしろ屈筋共同運動を助長しうる。肘伸展誘発として適切でない
✗ 3. 正しい
3
座位で布を両手で前方へ押し出す。前方への押し出しは肘伸展を伴うので適切
✗ 4. 正しい
4
立位で大きなボールを両手で保持し前下方へ押し出す/放つ。押し出し動作は肘伸展を伴うので適切
✗ 5. 正しい
5
立位で体幹を前傾し両手を台について上肢で体重を支える。閉鎖運動連鎖での荷重は肘伸展を促すので適切
ポイント
  • Brunnstrom上肢IV=分離運動が出始めた回復段階
  • 肘伸展誘発=肩前方挙上位でのリーチ・押し出し作業
  • 屈曲共同運動(肘屈曲)を助長する肢位は不適切
比較表
Brunnstrom法(上肢)の回復段階
ステージ特徴
I弛緩性麻痺・随意運動なし
II連合反応・共同運動の出現
III共同運動が随意的に可能・痙縮最強
IV共同運動から逸脱した分離運動が出始める
V分離運動が進む
VI協調的でほぼ正常
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