学習トップ / 理由で解く 作業療法士 / 第12章 ▸ 実地 / QO54A009
理由で解く 作業療法士
矢印が指すのは肘頭部(肘の後面)。第5頸髄損傷では肘を伸ばして体を支えられず、肘をついた姿勢(on elbow)で体幹を起こすため、肘頭に摩擦とずれが繰り返し加わる。見直すべき動作は起き上がりである。
褥瘡は骨突出部への持続的な圧迫だけでなく、動作中に皮膚と深部組織の間に生じる『ずれ(剪断力)』と摩擦によっても発生・悪化する。図の矢印が示すのは肘頭部で、皮下組織が薄く骨が突出しているため褥瘡の好発部位である。第5頸髄損傷では三角筋・上腕二頭筋までは働くが上腕三頭筋(C7)による肘伸展が使えず、ASIA C(運動不全麻痺だが残存筋力は不十分)では体幹・上肢の支持性も乏しい。そのため背臥位から起き上がる際は、肘を支点に体重を預ける肢位(on elbow)をとり、寝床の上で肘頭を擦りながら体幹を起こすことになりやすい。この反復する摩擦・剪断が矢印部位の褥瘡の原因として最も考えられ、起き上がりの方法(肘を擦らない手順、上肢や環境の使い方、寝具の工夫)を見直す必要がある。他の選択肢の動作で荷重・圧迫がかかるのは主に手掌・殿部・坐骨部であり、肘頭部の褥瘡は説明できない。
| 因子 | 内容 | 関連動作 |
|---|---|---|
| 圧迫 | 骨突出部への持続圧 | 座位保持・臥位 |
| 剪断力(ずれ) | 皮膚と深部のずれ | 起き上がり・移乗 |
| 摩擦 | 支持面での擦れ | 起き上がり・引きずり動作 |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。