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理由で解く 作業療法士

QO53A035 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午前 問35
問題
多発性硬化症に対する作業療法で正しいのはどれか。
選択肢
1 MS fatigueに対して、Borg指数15に運動強度を設定する。
2 Uhthoff徴候に対して、室温を25℃以下に設定して運動を行う。
3 筋力低下に対して、漸増抵抗運動を行う。
4 視力障害を伴う協調性運動障害に対して、Frenkel体操を行う。
5 有痛性強直性けいれんに対して、他動的関節可動域運動を行う。
解答
正解2(Uhthoff徴候に対して、室温を25℃以下に設定して運動を行う。)
解説

MSは体温上昇で症状が悪化する(Uhthoff徴候)ため、涼しい環境で運動する。易疲労性が強く過負荷は避ける。

多発性硬化症は脱髄により、体温上昇で神経伝導がさらに障害され一過性に症状が悪化するUhthoff徴候を示す。したがって運動は室温を低め(25℃以下)に保ち、体温上昇を抑えて行うのが正しい。また易疲労性(MS fatigue)が特徴で、過度な運動強度や高負荷抵抗運動は疲労や症状増悪を招くため避け、低〜中強度で頻回・短時間に分けて行う。

✗ 1. 誤り
MS fatigueに対して、Borg指数15に運動強度を設定する。
Borg15は『きつい』で過負荷となり易疲労性を助長する。低〜中強度(Borg11〜13程度)で行う
✓ 2. 正しい
Uhthoff徴候に対して、室温を25℃以下に設定して運動を行う。
体温上昇による症状悪化を防げるため正しい。冷却(クーリング)も有効
✗ 3. 誤り
筋力低下に対して、漸増抵抗運動を行う。
易疲労性のため高負荷の漸増抵抗運動は過用・疲労を招きやすく不適。低負荷で行う
✗ 4. 誤り
視力障害を伴う協調性運動障害に対して、Frenkel体操を行う。
Frenkel体操は視覚による代償を用いる運動失調訓練。視力障害があると視覚代償できず適さない
✗ 5. 誤り
有痛性強直性けいれんに対して、他動的関節可動域運動を行う。
他動運動は疼痛やけいれんを誘発しうる。抗てんかん薬(カルバマゼピン等)による対応が主体
ポイント
  • Uhthoff徴候=体温上昇で症状悪化→涼しい環境で運動
  • MS fatigue=易疲労性、過負荷を避け低〜中強度
  • Frenkel体操は視覚代償を用いる→視力障害には不適
比較表
多発性硬化症のリハで押さえる特徴
症状・特徴対応
Uhthoff徴候涼環境・クーリングで運動
MS fatigue(易疲労)低〜中強度、休息を挟む
運動失調Frenkel体操(視覚代償が前提)
有痛性強直性けいれん薬物療法が主体
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