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理由で解く 作業療法士

QO53A031 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午前 問31
問題
顔面と上下肢に感覚脱失を呈する脳卒中片麻痺の患者に対する生活指導で適切なのはどれか。
選択肢
1 麻痺手使用を控える。
2 湯呑を非麻痺側で把持する。
3 両手での車椅子駆動を勧める。
4 屋内ではスリッパ使用を勧める。
5 髭剃りはT字カミソリを勧める。
解答
正解2(湯呑を非麻痺側で把持する。)
解説

顔面・四肢に感覚脱失があると熱傷・切傷・外傷に気づけない。危険を伴う操作は感覚が保たれた非麻痺側で行うのが原則。

表在感覚(温痛覚・触覚)が脱失すると、熱い・鋭い・圧迫といった危険刺激を認知できず、熱傷や切傷、褥瘡・外傷を負ってもフィードバックが働かない。したがって熱い湯呑の把持のように受傷リスクの高い操作は、感覚が保たれた非麻痺側で行うよう指導するのが安全である。麻痺手も感覚モニタリングとしての使用や視覚代償の練習は促すべきで、使用を全面的に控えるのは廃用を招く。

✗ 1. 誤り
麻痺手使用を控える。
不使用は学習性不使用・廃用を助長し、機能回復を妨げる。視覚代償下での使用を促すべき
✓ 2. 正しい
湯呑を非麻痺側で把持する。
感覚が保たれた側で熱い物を持てば熱傷を回避でき、感覚脱失患者への指導として適切
✗ 3. 誤り
両手での車椅子駆動を勧める。
感覚脱失した麻痺手はハンドリムの把持力や摩擦を感知できず、擦過傷・熱傷や取りこぼしの危険がある
✗ 4. 誤り
屋内ではスリッパ使用を勧める。
足底感覚も脱失しており、脱げやすいスリッパは転倒リスクを高める。踵を覆う滑りにくい履物が望ましい
✗ 5. 誤り
髭剃りはT字カミソリを勧める。
顔面が感覚脱失のため切傷に気づけない。安全な電気カミソリを勧めるべき
ポイント
  • 感覚脱失=熱傷・切傷・褥瘡・外傷に気づけない
  • 危険を伴う操作は感覚の保たれた非麻痺側で
  • 麻痺手は視覚代償下で使用し廃用を防ぐ
比較表
感覚脱失を伴う片麻痺の生活指導のポイント
場面適切な対応理由
熱い物の把持非麻痺側で持つ熱傷回避
髭剃り電気カミソリ切傷に気づけない
履物踵を覆う滑りにくい靴足底感覚脱失で転倒予防
麻痺手視覚代償下で使用廃用・学習性不使用の防止
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