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理由で解く 作業療法士

QO52A004 作業療法評価学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午前 問4
問題
28歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。話しかければ日常会話は問題なく成立するが、自発話は乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。
選択肢
1 BADS
2 SLTA
3 SPTA
4 VPTA
5 CBS〈Catherine bergego scale〉
解答
正解1(BADS)
解説

前頭葉背外側部の損傷+自発性低下・発動性減退(アパシー)は遂行機能障害を示唆する。遂行機能を包括的に評価するBADSが最適。

前頭前野背外側部は遂行機能(計画・開始・切り替え・問題解決)と発動性に関与する。本例は麻痺・失語・感覚障害がなく日常会話も成立するが、自発話が乏しく促されないと行動を起こさない(発動性低下・アパシー)という前頭葉症状を呈しており、評価すべきは遂行機能である。BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)は、規則変換カードや行為計画など生活場面に近い6課題で遂行機能を包括的にとらえ、机上検査では捉えにくい発動性・段取りの障害を検出できるため最適である。SLTAは失語症、SPTAは失行、VPTAは視空間・視覚認知、CBS(Catherine Bergego Scale)は半側空間無視のADL評価であり、いずれも本例の主症状である遂行機能障害・発動性低下の評価には合致しない。

✓ 1. 正しい
BADS
遂行機能障害症候群の行動評価。前頭葉背外側部損傷による遂行機能・発動性の障害を包括的に評価でき最適
✗ 2. 誤り
SLTA
標準失語症検査。本例は失語がなく会話も成立するため不適
✗ 3. 誤り
SPTA
標準高次動作性検査で失行を評価。本例に失行の所見はなく不適
✗ 4. 誤り
VPTA
標準高次視知覚検査で視空間・視覚認知を評価。該当症状がなく不適
✗ 5. 誤り
CBS〈Catherine bergego scale〉
CBS〈Catherine bergego scale〉:半側空間無視のADL場面評価。無視の所見がなく不適
ポイント
  • 前頭前野背外側部=遂行機能・発動性
  • 自発性低下・アパシー=遂行機能障害を疑う
  • BADSは生活課題ベースの遂行機能評価
比較表
高次脳機能検査と評価対象
検査評価対象
BADS遂行機能
SLTA失語症
SPTA失行(動作性)
VPTA視空間・視知覚認知
CBS半側空間無視(ADL)
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