学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 実地 / QO52A003

理由で解く 作業療法士

QO52A003 作業療法治療学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午前 問3
問題
65歳の女性。右利き。右被殻出血による左片麻痺。発症後4か月が経過した。Brunnstrom法ステージは左上肢Ⅳ、左手指Ⅳ、左下肢Ⅵ。両手で可能な動作はどれか。
選択肢
1 網戸を取り外す。
2 掃除機をかける。
3 天井の蛍光灯を変える。
4 豆腐を手掌の上で切る。
5 エプロンの腰ひもを後ろで結ぶ。
解答
正解2(掃除機をかける。)
解説

左上肢・手指Brunnstromステージ Ⅳは、分離運動が一部出現し、握り込み(横つまみ〜粗大把持)や手を腰の後ろへ回す程度は可能だが、手指の巧緻性・強い把持力・頭上での安定保持は不十分。この能力で麻痺手を補助手として使える動作を選ぶ。

右被殻出血による左片麻痺で、左上肢・左手指がBrunnstromステージⅣ、左下肢はⅥである。ステージⅣ手指は「横つまみ・半随意的な指伸展・粗大把持」が可能なレベルで、麻痺手は物を軽く支える『補助手』として使える。掃除機をかける動作は、健側(右手)で操作し麻痺側(左手)は柄に添えて支える程度でよく、強い巧緻性も頭上作業も不要なため両手で遂行しやすい。一方、網戸の取り外しや天井の蛍光灯交換は頭上での強い両手把持・安定保持を要し、豆腐を手掌で切るのは麻痺手を安定した台として使えないと危険で、腰ひもを背側で結ぶのは高度な両手の巧緻協調を要するため、いずれもステージⅣの麻痺手では困難である。したがって最も現実的に両手で可能なのは掃除機がけである。

✗ 1. 誤り
網戸を取り外す。
頭上〜前方で重い網戸を両手で強く把持・保持する必要があり、ステージⅣの把持力・安定性では困難
✓ 2. 正しい
掃除機をかける。
健側で操作し麻痺手は柄に添える補助手で足りる。巧緻性・頭上作業とも不要で遂行可能
✗ 3. 誤り
天井の蛍光灯を変える。
頭上での両手の細かな回旋・保持が必要でステージⅣでは困難
✗ 4. 誤り
豆腐を手掌の上で切る。
麻痺手を安定した台として使えないと受傷の危険があり不適
✗ 5. 誤り
エプロンの腰ひもを後ろで結ぶ。
背側での高度な両手巧緻協調が必要でステージⅣでは困難
ポイント
  • 手指Brunnstromステージ Ⅳは横つまみ・粗大把持レベルの補助手
  • 麻痺手を『支える補助手』で足りる両手動作を選ぶ
  • 頭上作業・強い把持・高度巧緻協調は困難
比較表
上肢Brunnstromステージと手の使い方の目安
ステージ手指の状態実用性
全指同時屈曲(握り)非実用・固定的補助のみ
横つまみ・半随意的伸展補助手(支える・添える)
対向つまみ・随意的伸展限定的な実用手
分離運動ほぼ正常実用手
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手