学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ H. 精神科疾患 / Q1475

理由で解く 臨床医学各論

Q1475 その他の領域

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題73
問題
失立・失歩がみらるのはどれか。
選択肢
1 不安神経症
2 恐怖症
3 抑うつ神経症
4 ヒステリー
解答
正解4(ヒステリー)
解説
✗ 1. 誤り
不安神経症
不安神経症(全般性不安障害)は理由のない強い不安やパニック発作が主症状であり、失立・失歩のような運動麻痺は呈さない。自律神経症状として動悸、発汗、振戦などがみられ、抗不安薬が有効である。神経症の中でも不安が主体の病態である。
✗ 2. 誤り
恐怖症
恐怖症は特定の対象や状況に対する過度の恐怖と回避行動が主症状であり、失立・失歩は呈さない。対人恐怖、高所恐怖、閉所恐怖、広場恐怖などがあり、恐怖の対象が明確である点が不安神経症との鑑別点である。
✗ 3. 誤り
抑うつ神経症
抑うつ神経症は持続的な抑うつ気分が主症状であり、失立・失歩は呈さない。うつ病ほど重症ではないが気分の落ち込みが長期間続く状態であり、日常生活への支障は比較的軽度である。
✓ 4. 正しい
ヒステリー
失立・失歩はヒステリー(転換性障害)の代表的な転換症状である。心理的葛藤が身体症状に転換され、器質的異常がないにもかかわらず立てない・歩けないといった運動障害が出現する。ヒステリーの転換症状としてはほかに失声、失明、痙攣発作、四肢の麻痺などがある。現実吟味力は保持されており、症状の背景に心理的要因が認められる。
ポイント
  • 失立・失歩はヒステリー(転換性障害)の転換症状であり、心理的葛藤が身体症状に変換されたものである。
  • 器質的異常はないが運動障害が出現し、失声・失明・痙攣発作なども転換症状に含まれる。
  • 不安神経症は不安、恐怖症は特定対象への恐怖、抑うつ神経症は抑うつ気分が主症状であり、転換症状は呈さない。
  • 重要用語: ヒステリー、転換性障害、転換症状、失立・失歩 を正確に理解しておくこと。
比較表
神経症の種類 主症状 転換症状
ヒステリー(転換性障害) 転換症状(失立・失歩、失声等) あり
不安神経症 過度の不安、パニック発作 なし
恐怖症 特定対象への恐怖、回避行動 なし
抑うつ神経症 持続的な抑うつ気分 なし
強迫神経症 強迫観念、強迫行為 なし
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題73|失立・失歩がみらるのはどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題73|失立・失歩がみらるのはどれか。
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